
要約
対話状態追跡は、対話の文脈に基づいてユーザーの目標と要求を推定する技術であり、タスク指向型対話システムにおいて重要な部分を占めています。本論文では、Global-Locally Self-Attentive Dialogue State Tracker (GLAD) を提案します。このモデルは、グローバル-ローカルモジュールを使用してユーザー発話と過去のシステム行動の表現を学習します。当モデルは、異なるタイプ(スロットと呼ばれる)の対話状態推定器間でパラメータを共有するためのグローバルモジュールと、スロット固有の特徴を学習するためのローカルモジュールを使用しています。実験結果から、この手法が稀な状態の追跡性能を大幅に向上させ、WoZおよびDSTC2の対話状態追跡タスクにおいて最先端の成果を達成していることが示されました。GLADはWoZで88.1%の共同目標精度と97.1%の要求精度を達成し、それぞれ先行研究に対して3.7%および5.5%上回っています。DSTC2では74.5%の共同目標精度と97.5%の要求精度を達成し、それぞれ先行研究に対して1.1%および1.0%上回っています。