
要約
ニューラルネットワークにおける情報の伝播方法は極めて重要である。本論文では、提案ベースのインスタンスセグメンテーションフレームワークにおいて情報流を強化することを目指したパス集約ネットワーク(Path Aggregation Network: PANet)を提案する。具体的には、ボトムアップパス拡張により下層に正確な位置情報を加えることで、下層と最上位の特徴量との間の情報経路を短縮している。また、適応的な特徴量プーリングを導入し、各特徴量レベルの有用な情報を直接提案サブネットワークに伝播させるように特徴量グリッドとすべての特徴量レベルを接続している。さらに、各提案に対する異なる視点を捉える補完的なブランチを作成することでマスク予測をより改善する。これらの改良は実装が簡単であり、計算コストも僅かに増加するのみである。我々のPANetは大規模バッチトレーニングなしでCOCO 2017チャレンジのインスタンスセグメンテーションタスクで1位、オブジェクト検出タスクで2位となり、MVDおよびCityscapesでも最先端の性能を示している。コードはhttps://github.com/ShuLiu1993/PANet から入手可能である。