
要約
被覆顔検出は、現実世界のさまざまな被覆によって引き起こされる大きな外観変動により、困難な検出タスクとなっています。本論文では、被覆顔と被覆領域を同時に検出する対抗的被覆認識顔検出器(Adversarial Occlusion-aware Face Detector: AOFD)を提案します。具体的には、対抗的学習戦略を用いて、顔検出器が認識しにくいような被覆類似の顔特徴を生成します。被覆顔の検出時に被覆マスクも予測され、被覆領域は妨げではなく補助として利用されます。さらに、セグメンテーションブランチからの監督信号が逆に特徴量に影響を与え、重度の被覆顔の検出を支援します。その結果、AOFDは露出している顔のランドマークが少ない場合でも非常に高い信頼度で顔を見つけ出し、マスクされた顔であっても高い検出精度を維持できます。広範な実験により、AOFDはMAFA被覆顔検出データセットにおいて最先端の手法を大幅に上回るだけでなく、一般的な顔検出のベンチマークデータセット(例:FDDB)でも競争力のある検出精度を達成することが示されています。