深層学習を用いたスクリーニングマンモグラフィによる乳がん早期検出の改善

深層学習という機械学習技術の一種の急速な発展は、その医療画像問題への応用に対する関心を高めています。本研究では、「エンドツーエンド」の学習アプローチを使用して、スクリーニングマンモグラムから乳がんを正確に検出できる深層学習アルゴリズムを開発しました。このアプローチでは、初期の学習段階で病変注釈のみが必要であり、その後の段階では画像レベルのラベルのみが必要となるため、希少な病変注釈への依存を排除しています。我々が開発した全畳み込みネットワークによるスクリーニングマンモグラム分類方法は、従来の方法と比較して優れた性能を達成しました。デジタルスクリーニングマンモグラフィー用デジタルデータベース(DDSM)から得られた独立テストセットにおいて、最良の単一モデルは画像ごとのAUC(面積下値)0.88を達成し、4つのモデル平均化によりAUCは0.91(感度:86.1%、特異度:80.1%)に向上しました。INbreastデータベースからのフルフィールドデジタルマンモグラフィー(FFDM)画像の検証セットにおいても、最良の単一モデルは画像ごとのAUC 0.95を達成し、4つのモデル平均化によりAUCは0.98(感度:86.7%、特異度:96.1%)に向上しました。さらに、DDSMのデジタル化されたフィルムマンモグラム上で「エンドツーエンド」アプローチで学習した全体画像分類器は、INbreastデータの一握りだけを使用して微調整を行うことで、INbreast FFDM画像へ転移可能であることを示しています。これは病変注釈へのさらなる依存なしで行えます。これらの結果は、自動的な深層学習手法が異なるマンモグラフィープラットフォームでの高精度な訓練が容易に行えることを示しており、偽陽性や偽陰性のスクリーニングマンモグラム結果を減らすために臨床ツールを改善する上での大きな可能性を持っていることを示唆しています。