2ヶ月前
常識知識を活用した埋め込み表現の改善によるウィノグラッドスキーマチャレンジにおける代名詞解釈問題の解決
Quan Liu; Hui Jiang; Zhen-Hua Ling; Xiaodan Zhu; Si Wei; Yu Hu

要約
本論文では、常識的な知識を強化した埋め込み(KEE: Knowledge Enhanced Embeddings)を提案し、代名詞解釈問題(PDP: Pronoun Disambiguation Problems)の解決に活用します。本稿で調査するPDPタスクは、常識的な知識の利用を必要とする複雑な共参照解消タスクです。このタスクは2016年のウィノグラッドスキーマチャレンジにおける標準的な一次テストセットとなっています。このタスクにおいて、従来の共参照解消に有用だった言語学的特徴(例えば文脈や性情報)がもはや効果的ではなくなりました。そのため、KEEモデルは常識的な知識を利用した一般的なフレームワークを提供するために提案されました。PDPタスクには訓練データがないため、KEEモデルは非監督特徴量抽出プロセス中に使用されます。KEEモデルの有効性を評価するために、ConceptNet、WordNet、CauseComなどのさまざまな常識的な知識ベースをKEEの学習プロセスに組み込むことを提案します。提案手法を2016年のウィノグラッドスキーマチャレンジに適用することで最良の性能を達成しました。さらに、標準的なPDPタスクでの実験結果から、提案されたKEEモデルが66.7%の精度でPDP問題を解決できることを示しており、これは新しい最先端の性能となっています。