
要約
画像ノイズ除去アルゴリズムは、人工的にノイズが加えられた画像を使用して評価されることがありますが、これは実際のノイズに対する性能について誤った結論を導きかねません。本論文では、低照度条件下で自然に発生したノイズが含まれるカラー画像のデータセットを紹介します。また、同じシーンの空間的におよび強度的にアライメントされた低ノイズ画像も提供します。さらに、低ノイズ画像にも少量のノイズが含まれているため、当該画像における真のノイズレベルを推定する方法を提案します。我々は、このノイズ推定方法の精度を実際のノイズと人工的なノイズに対して評価し、ポアソン・ガウス混合ノイズモデルについて調査を行いました。最後に、当該データセットを使用して6つのノイズ除去アルゴリズム(Active Random Field, BM3D, Bilevel-MRF, Multi-Layer Perceptron, および2種類のNL-means)を評価しました。その結果、Multi-Layer Perceptron, Bilevel-MRF, およびソフト閾値を持つNL-meansは合成グレースケール画像においてBM3Dを上回る性能を示しましたが、当該データセットではBM3Dに劣後することが明らかになりました。