イムノプレシス、オランダ事業をAVSバイオに売却しAI主導のバイオ発見プラットフォーム強化へ

バイオテクノロジー企業のImmunoPrecise Antibodies Ltd.（NASDAQ: IPA）は、オランダ子会社「ImmunoPrecise Antibodies (Europe) B.V.」をAVS Bioに売却すると発表した。売却価格は1200万米ドルの企業価値（キャッシュフリーデットフリーベース）で、純収入は1170万米ドルに上る。この取引は、IPAが戦略的再編を進める重要な一歩であり、事業の簡素化と財務基盤の強化を実現。売却により得た資金は、AIを活用したソフトウェア・アンド・サービス（SaaS）プラットフォームの開発や、データ駆動型の創薬技術への投資に充てられる。 IPAのジェニファー・バースCEOは、「この取引は株主価値を高めるものであり、AIを核とする自社プラットフォーム『LENSai™』への集中を可能にする」と強調。LENSai™は、HYFT®マルチオミクス技術を基盤に、複雑な生物学的データを統合的に解析し、創薬プロセスの意思決定を加速する。同社は、バイオロジクスの発見・開発において、科学的知見と先端技術を融合させた革新を推進している。 AVS Bioはアーリントン・キャピタル・パートナーズ傘下のグローバルバイオプロセッシング企業で、SPF（特定病原体非保有）の実験用卵、抗原、抗体などを提供。北米・欧州に20以上の施設を保有し、ワクチンや治療薬の開発支援を行っている。取引は競争的・公正なプロセスを経て実施され、12か月間の移行サービス契約（TSA）により業務の継続が確保される。IPAはAVS Bioとの間に、取引の範囲外で重要な継続関係を持たない。 この売却は、IPAがAIネイティブな創薬プラットフォーム開発に集中する戦略を明確に示すもので、今後の成長の基盤を強化する。