Facebook DatingがAIアシスタント導入でスワイプ疲れに終止符
Metaは、ユーザーの「スワイプ疲れ」を解消するため、Facebook DatingにAIを活用した新機能を導入すると発表した。主な新機能は、AIチャットボット「デートアシスタント」と、週1回の「サプライズマッチ」を提供する「ミートキュート」だ。デートアシスタントは、ユーザーが「ブロoklynに住むテック関係の女性」など具体的な条件を入力することで、それに合ったマッチング候補を提案する。また、プロフィールの強化やデートアイデアの提供も可能で、現時点で米国とカナダで順次展開されている。一方、「ミートキュート」は、アルゴリズムに基づいて毎週1人の相手を自動で紹介する機能。Metaは、スワイプの繰り返しに疲れているユーザーにとって「新しい、手軽な選択肢」と位置づけている。この機能はオプトアウトも可能で、将来的には異なる頻度(例:毎月など)の提案も検討されている。 この動きは、Metaが今年「文化的影響力」を高める戦略の一環として、Facebookのコンテンツをリール化し、スパム対策を強化するなど、プラットフォーム全体の再編を進めている背景にある。Facebook Datingの利用状況は、18~29歳のユーザーを中心に年間10%の成長を記録しており、毎月数十万人が新規プロフィールを作成している。ただし、Tinder(日次アクティブユーザー5000万人)やHinge(1000万人)といった競合と比べると規模は小さい。 AIは、現在の主流デートアプリの共通のトレンドとなっている。Match Group(Tinder・Hinge・OKCupidの所有者)は昨年、OpenAIと提携し、2000万ドル以上のAI投資を実施。これによりTinderではAIによる写真選定ツール、Hingeではプロフィール文のAI最適化機能が導入された。Bumbleも同様のAI機能を展開しており、創設者であるウィットニー・ウォルフ・ハーデは、将来的にはユーザーのAIが相手のAIとデートして相性を判断する「AIコンシェルジュ」の実現を提唱し、話題を呼んだ。 こうした動きは、AIが単なる補助機能から、マッチングの根幹を支える要素へと進化していることを示している。Metaの新機能は、ユーザーの選択肢を「自動化」することで、心理的負担を軽減するという点で、他社と差別化を図っている。特に「ミートキュート」は、ユーザーが主導権を握らず、偶然の出会いを重視する「運命的な出会い」をテーマにした点で、2013年にOkCupidが試みた「Crazy Blind Date」と類似する哲学を持っている。今後、AIが恋愛体験の設計に深く関与する中で、プライバシー、倫理、人間関係の本質といった課題も浮き彫りになるだろう。
