MrBeastが警鐘:AI生成動画の氾濫がクリエイターに与える脅威
YouTuberのMrBeast(ジェミー・ドナルドソン)が、AI生成コンテンツの氾濫に対して懸念を示している。彼はX(旧Twitter)で「AI動画が本物の動画と同等になると、YouTubeや数百万のクリエイターの生活にどう影響するか心配だ」と投稿。「恐ろしい時代だ」とも語り、AIによるコンテンツの過剰な増加が人間の創造性や職業の価値を脅かす可能性を指摘した。 この懸念は、AIがアートやエンタメ分野に急速に進出している現状に根ざしている。OpenAIのサム・アルトマンCEOは、AI動画生成ツール「Sora」の進化を「創造性のカンブリア爆発」と呼び、質の向上を予測している。しかし、多くの人々はその発言を「薄っぺらな建前」と見なし、AIはむしろ「コンテンツの質を低下させる(en-shittify)」と批判している。 MrBeastの会社は今年初めに50億ドルの評価を受けたが、Bloombergによると過去3年間で累計1億1000万ドル以上の損失を計上。高コストのコンテンツ制作に資金を投入するが、AIインフルエンサーなら運用コストは極めて低い。これにより、人間のクリエイターが競争力を失うリスクが高まっている。 また、AIで作られた「俳優」ティリー・ノーウッドが話題になった。彼女はParticle6社が開発した仮想人物で、実在しない。映画業界では彼女に興味を持つプロダクションも現れ、俳優たちの間で不安が広がっている。しかし、実際の観客はAIキャラクターに感情移入できない。芸術の本質は「人間の経験や感情の共有」にある。MrBeastの動画が人気なのは、リアルな人間が極限状況で挑戦するドラマにあり、AIはその「人間らしさ」を再現できない。 結局、AIがいくら高精細な画像を生成しても、観客は「人間の物語」を求める。AIの進化は技術的進歩だが、文化的価値の転換にはならない。MrBeastの警鐘は、AIの暴走に伴う人間の創造性の喪失という、本質的な危機に気づかせてくれる。
