Gen Zが主役のオリンピック:若手選手の個性、AI活用、政治的発言が注目集まる
2024年冬季オリンピックは、史上初めて「ジェネレーションZ(Gen Z)のオリンピック」として注目されている。選手たちの年齢層の若さだけでなく、彼らが社会的・政治的課題に積極的に関与し、個人の内面や価値観を公に語る姿勢が、大会の特徴を形作っている。米国代表チームの平均年齢は約28歳、特にフィギュアスケートやスノーボードでは23歳前後と若く、若手選手の台頭が顕著だ。 代表選手の中には、ジェネレーションZの象徴とも言える人物が多数いる。フィギュアスケートの「クアッド神」イリア・マリニン(21歳)は、同名のLGBTQ+テーマのドラマキャラクターと重なり、若者文化に親しみやすい存在だ。そして、スカウトストライプの髪、歯の宝石、前庭ピアスといった「オルト」スタイルを身に着け、ジェネレーションZのファッションを象徴するアリサ・リウ(18歳)は、まさに「ALTガール」の顔。彼女のチームメートであるアンバー・グレン(26歳)は、女性スケーターとしてはやや遅めの26歳でのオリンピック初出場という点で、ジェネレーションZの「遅咲き」傾向を表している。 政治的発言も目立つ。グレンは、トランプ政権下でのLGBTQ+コミュニティへの差別を指摘し、「自分らの声を届け、人々が強くいられるようにしたい」と語った。また、アメリカスキー代表のハンター・ヘス(27歳)は、国内でのICE(移民捜査局)の強制捜査を背景に、「アメリカ国旗を着ていても、すべての米国の出来事に同意するわけではない」と明言。選手たちが国を代表しつつも、自らの価値観を貫く姿勢が、世代の特徴を浮き彫りにしている。 さらに、AIの活用も進んでいる。チェコのアイスダンスペア(19歳・22歳)は、リズムダンスで半分をAI生成音楽にした。これは初めてではなく、すでにAIを日常的に活用する「LLMネイティブ」世代の証だ。オリンピック委員会もその利用を容認しており、技術の進化と世代の変化が、競技のあり方を変えてきている。 こうしたすべての兆候から、2024年のオリンピックは、単なるスポーツの祭典ではなく、ジェネレーションZが世界の舞台で自らの声を発し、価値観を共有する「新しい時代の象徴」として位置づけられる。ジェネレーションアルファの登場が近づく中、さらに多様で個性的な表現が増えるだろう。
