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メタのAI研究トップヤン・レクン氏、世界モデルに注力するスタートアップ設立へ退職へ

Metaの人工知能(AI)研究の旗手であるヤン・レクン氏が、同社を退社して次世代AIのスタートアップを設立する意向を固めた。この動きは、CEOのマーク・ザッカーバーグがOpenAIやグーグルと競い合う「スーパーアイテレジン」開発に集中する中で、MetaのAI戦略に大きな転換をもたらすものだ。レクン氏は2013年にMetaの基礎AI研究ラボ(FAIR)を創設し、現代AIの礎を築いたテューリング賞受賞者。彼の新スタートアップは「ワールドモデル」と呼ばれる次世代AIに注力する。これはテキストではなく、視覚的・空間的情報から世界の物理法則を学び、人間のように推論・計画できるシステムの開発を目指す。レクン氏はこのプロジェクトが成熟するまでに10年程度かかると見ている。 この決定は、MetaのAI戦略の根本的な変化と重なる。ザッカーバーグは、FAIRを長期研究から商業化に向けた方向へ転換。特に大規模言語モデル(LLM)に集中し、Llama 4の発表が競合他社の製品に比べて期待を下回ったことを受け、戦略の見直しが進んだ。これに伴い、ザッカーバーグはScale AIの創業者アレクサンダー・ワン氏を49%の株式を143億ドルで取得し、新設された「スーパーアイテレジン部門」の責任者に任命。さらに、トップ人材を引き込むための「TBDラボ」を設立し、1億ドル規模の報酬を提示するなど、人材獲得に本気を出している。 しかし、レクン氏はこうしたLLM中心の戦略に反対。彼は「LLMは有用だが、本質的に人間のように推論・計画する能力に限界がある」と指摘。代わりに、環境を理解し、因果関係を学ぶ「ワールドモデル」の開発こそが、真の人工一般知能(AGI)への道だと主張。彼の退社は、技術的哲学の違いだけでなく、組織構造上の対立を示しており、Meta内部でのAI戦略の分断を象徴している。 この動きは、MetaのAI部門の再編をもたらした。最近では、AI研究の副社長ジョエール・ピネオ氏がCohereに移籍、AI部門で600人を削減。一方で、ChatGPTの共同開発者であるシェンジア・チャオ氏がMetaのスーパーアイテレジンラボの首席科学者に就任するなど、人材の流入と流出が顕著。2023年10月下旬、AI関連の支出見通しを公表したことで、Metaの株価は12.6%下落、時価総額が2400億ドル以上蒸発。投資家からの圧力が、戦略の急ピッチ化を後押しした。 レクン氏の新スタートアップは、AGI開発の新たなプレーヤーとして注目される。Metaの内部対立が、AI産業全体の進化を加速させる可能性を示している。

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