OpenAI、ChatGPTに広告を導入 2030年までに250億ドル規模の広告事業へ
OpenAIがChatGPTに広告を導入し、2030年までに250億ドル規模の広告ビジネスを構築できる可能性があると、業界関係者らは分析している。現在、同社は米国在住の無料版および8ドル/月のGo版ユーザーを対象に、回答の下部にExpediaやAirbnbなど、ユーザーの質問内容に応じた文脈広告をテストしている。たとえば「ダラスでの宿泊先を探している」という問い合わせには旅行サイトの広告が表示される。しかし、広告専門家らは、この段階の広告は「限定的で、成果を示すには不十分」と指摘する。 Gartnerのニコール・グリーン氏は、ユーザーが自然言語で質問する中から「本当のニーズ」を読み取るデータの価値は「マーケティングの黄金」と評価。一方、Horizon Mediaのマイケル・コーエン氏は、現行の文脈広告は「平凡で、トップクラスのパフォーマンスは期待できない」と分析。GoogleやMeta、Amazonが個人データや行動履歴に基づき、購入直前の瞬間に正確にターゲティングする仕組みを確立しているのに対し、OpenAIはまだそのレベルに達していないと指摘。 広告収益を拡大するには、ユーザーの行動(購入やアプリダウンロードなど)を追跡できる「コンバージョンAPI」の開発が不可欠。Criteoのマイケル・コマシンスキー氏は、現在の広告モデルは2027年までに最大20億ドル規模にとどまる可能性があると予測。そのためには、ユーザー体験を損なわずに広告の成果を測定できるプラットフォームが必要だ。 同時に、ユーザーの信頼を損ねないことも重要。OpenAIは広告が回答に影響を与えないよう「広告原則」を公表し、ユーザーの会話内容を広告主に共有しないと明言。Brainlabsのアダム・エドワーズ氏は、「広告が明確に表示されれば、無料サービスとのトレードオフとしてユーザーは受け入れる」と指摘。 規模拡大の鍵は、ChatGPTアプリ以外の領域にも広告の可能性を広げること。AI動画生成ツール「Sora」への縦型広告、商品購入機能「インスタントチェックアウト」、AIブラウザ「Atlas」、そしてジョニー・イーヴ氏が開発中のAIデバイスなど、新たな広告空間の創出が期待される。 広告戦略のリーダーとして、前Metaのエンジニア出身で、9000万ドル規模のスタートアップを買収したヴィジャエ・ラジ氏が新設の広告チームを率いる。投資家らは彼の経験を高く評価し、今後は人材の強化や、広告配信やパーソナライズ分野の買収も視野に入ると見ている。OpenAIがマディソンアベニューの信頼を得るには、技術的インフラに加え、広告業界との信頼関係構築が不可欠となる。
