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AIがゼブラフィッシュ胚の発育異常を高精度で自動検出 – 大規模データセットとTransformerモデルでドラッグスクリーニングの高速化へ

ドイツの情報セキュリティ研究機関CISPAのサラス・シヴァプラサド氏らの研究チームが、ゼブラフィッシュの胚発生異常を自動検出するAIシステムを開発した。同システムは、高解像度の時間経過画像データセットとTransformerベースの機械学習モデルを組み合わせ、発育異常や毒性影響を高い精度で検出できる。この成果は2025年9月に韓国で開かれる国際会議「MICCAI 2025」で発表される予定だ。 ゼブラフィッシュは体が透明で人間と遺伝的に類似しているため、薬剤開発のモデル生物として広く利用されている。しかし、発育過程の観察は従来、専門家による手作業による評価に頼っており、時間と主観的判断が大きな負担となっていた。特に、微細な発生異常を時間的に追跡して検出することは難しく、既存のデータセットは時間的スパンと規模の面で不足していた。 研究チームは、ヒューマンインスティテュート・フォア・サイエンス(HIPS)と協力し、18万5000枚以上の顕微鏡画像からなる世界最大級のデータセットを構築。各胚はウェルに配置され、継続的に撮影され、受精の有無や発育異常のタイミングを詳細にラベル付けされた。このデータセットをもとに、シヴァプラサド氏は、画像の構造と時間的変化を同時に解析できる新しいTransformer型AIモデルを訓練。結果、受精の判定で98%、毒性物質(3,4-ジクロロアニリン)による発育異常の検出で92%の精度を達成。モデルは人間の専門家が行う発育経過の評価に近いアプローチを模倣し、早期の毒性予測が可能となった。 今後の目標は、単一の化学物質の検証から、多数の化合物を含むスクリーニングへと拡張すること。研究チームは、全データセットをGitHubで無料公開し、医療・AI研究の両分野がこのリソースを活用できるようにする。この取り組みは、薬物の安全性評価を高速化・客観化し、より倫理的で効率的な開発プロセスの実現に貢献する。

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