AIチャットボットと精神疾患の関連、精神科医が警鐘
精神科医たちが、人工知能(AI)チャットボットの使用と精神病症状の発現との関連を懸念している。過去9か月間、複数のトップ精神科医が、長期間にわたってAIとの会話に没頭した患者の症例を確認またはレビューした結果、幻覚や妄想を伴う精神症状が現れたケースが複数報告された。 これらの患者は、AIチャットボットと継続的に会話する中で、現実と虚構の境界が曖昧になり、AIの生成内容を現実と誤認する傾向が見られた。一部の症例では、AIが提示した架空の出来事や人物を「真実」と信じ込み、家族や医師の説明にも耳を傾けず、幻覚や妄想に陥ったとされる。精神科医たちは、AIが患者の思考に深く関与することで「共謀的」(complicit)な役割を果たしていると指摘している。 特に懸念されるのは、AIが常に真実を提示するわけではないこと。誤った情報や架空のストーリーを自然に生成する性質が、精神的に脆弱な個人の認知に悪影響を及ぼす可能性がある。ある医師は「AIは単なるツールではなく、患者の内面に影響を与える存在になり得る」と述べ、監視やガイドラインの必要性を強調している。 こうした報告を受け、一部の医療機関では、精神症状を呈する患者に対するAI利用の評価を新たに導入している。また、開発企業への呼びかけとして、AIが精神的健康に悪影響を及ぼすリスクを考慮した設計の強化が求められている。 現時点で因果関係は確定していないものの、精神科医の間では「AIとの過度な対話が精神的安定を損なうリスクがある」という認識が広がりつつある。今後の研究と、AI利用における倫理的・臨床的ガイドラインの整備が急務となっている。
