エネルギー基盤の推論AI「Kona 1.0」発表、AGIへの道標となる新アーキテクチャで業界注目
人工知能企業Logical Intelligenceが、エネルギー基盤型推論(EBM)モデル「Kona 1.0」のパイロット導入を発表した。同モデルは、エネルギー関数の最小化を通じて論理的推論を行う仕組みを持ち、従来の確率的モデルとは異なり、誤りを「修正」する学習方式を採用。開発者であるエイブ・ボドニアCEOは、「Konaは自らの間違いを認識し、再訓練なしに改善する。これは汎用人工知能(AGI)の初期段階の兆候だ」と述べ、現行のAIが「最も可能性の高い答えを推測」するのに対し、Konaは「許容される範囲」を明確にし、その中で解を導く点で本質的な違いがあると強調した。 Kona 1.0は、スゥドク、チェス、囲碁などでの実演も公開。特に、複数のLLMと対戦するスゥドクチャレンジを通じて、EBMの論理的整合性の高さを可視化している。同社は、AIが「材料的結果」をもたらす分野――エネルギーインフラ、半導体検証、高度製造、ロボティクスなど――で、動作の「証明可能正確性」を実現できると位置づけ、規制・監査・責任追及が求められる環境に最適と説明している。 さらに、Meta元最高AI科学者でトーリング賞受賞者のヤン・レクン氏を技術研究評議会の初代会長に、ビットコイン取引所Binance元最高戦略責任者パトリック・ヒルマン氏を最高戦略責任者に任命。数学界最高栄誉のフィールズ賞受賞者マイケル・フリードマン氏と、ICPC世界王者でフェイスブック元エンジニアのヴラド・イセンバエフ氏も幹部として参加。この専門性の高いチーム構成は、理論的基盤と実用化の両立を図る意図がうかがえる。 レクン氏は「真の推論は最適化問題として定式化されるべきだ」とし、EBMがAIの推論基盤としての可能性を示していると評価。ヒルマン氏も、「AIの失敗が実害をもたらす時代に、性能だけでなく認証と説明責任が求められる」とし、政策関係者との協働を通じた責任ある展開を掲げる。 Kona 1.0は、現行の形式的検証・検証可能コード生成技術「Aleph」の進化形であり、システム全体の継続的検証を可能にする。この動きは、AIが「統計的に確率が高い」だけではなく、「論理的に正しい」動作を実現するという、AI開発の新たな転換点を示している。
