NVIDIAとUKが連携、物理AI・ロボットics・生命科学で進むAI革新
英国は、AIを基盤とする自立型技術の発展を推進するため、国家レベルの取り組みを強化している。NVIDIAの創業者兼CEO、ジェンセン・ファン氏の訪英を機に、同社は英国のAI研究機関やスタートアップ、企業との連携を強調。物理AI、エージェント型AI、ロボティクス、ライフサイエンスなど多分野で実用化が進んでいる。 英国政府が今年策定した「AIアクション機会計画」の柱の一つとして、AI基盤の構築が進められており、NVIDIAのGrace Hopperスーパーチップを搭載した「Isambard-AI」(ブリストル大学)が、国内のAI研究を牽引。このスーパーコンピュータを活用し、以下のプロジェクトが進行中だ。 ・UK-LLM:ロンドン大学、バンゴア大学、NVIDIAが共同開発。ウェールズ語を含む多言語対応の大規模言語モデルで、医療や教育分野の公共サービス向上を目指す。 ・Nightingale AI:インペリアル・カレッジ・ロンドン主導。英国と米国の医療データをもとにしたマルチモーダル健康基盤モデル。早期診断や個別化医療に活用。 ・PolluGen:マンチェスター大学が開発。NVIDIA CorrDiffとEarth-2 Studioを活用した高解像度の汚染拡散モデル。地域の空気質影響を予測し、政策立案支援。 ・超音波基盤モデル:クイーン・メアリー大学が開発。関節リウマチ患者の画像解析に特化。公開型AIモデルとして医療画像の再現性を高める。 ・エゴセンシング世界のGenモデル:ブリストル大学が900人分の視覚データを分析。日常生活のタスク理解を深め、認知症患者の自立支援に寄与。 ・静電気を考慮した基礎モデル:ケンブリッジ大学とNVIDIAが共同開発。2億以上の分子構造データを用い、電気的相互作用を正確に再現。従来不可能だった複雑な材料・分子シミュレーションが可能に。 また、AI人材育成を目的に、SCANとNVIDIAが連携し、DLIコースや「SCAN Springboard U.K.」を通じて、コミュニティベースの学びの場を拡充。techUK、Quanser、QAと協力し、ロボティクスとAIのエコシステムを強化。 ロボット分野では、Extend RoboticsがXRとNVIDIA Jetson AGX Orinで安全な遠隔操作を実現。Humanoidは店舗や倉庫で使えるモジュール式人型ロボットHMND 01を開発。リバプール大学のMaterials Innovation Factoryは、AIロボット科学者を自動実験室で運用。National RobotariumやOpteran、Oxa、WayveもNVIDIA技術を活用し、自然に学んだ自律性や合成データによる高速開発を実現。 ライフサイエンス分野では、Basecamp ResearchのBaseDataやIsomorphic Labs、Peptone、Latent Labs、Relation Therapeutics、Hologen AIなどがNVIDIA技術で新薬開発を加速。特に、Oxford Nanoporeは高精度で低コストなDNA/RNA解析を提供。 エージェント型AIでは、Aveniが金融分野向けのAIエージェントを構築。ElevenLabsは70言語以上の自然な音声生成を実現。PolyAI、Recraft、Speechmatics、SynthesiaもNVIDIAのツールを活用し、カスタマーサポート、クリエイティブ、動画生成など、幅広い業務効率化を実現。 英国は、AIの実用化を国家戦略として推進。NVIDIAとの連携を通じて、技術基盤から人材育成、産業応用まで、包括的なAIエコシステムの形成が進んでいる。
