米スタートアップReflection AI、20億ドル調達でオープンAIの新勢力へ
米国を代表する新たなオープンソースAIラボとして注目されるReflection AIが、20億ドル(約3000億円)の資金調達を実施し、80億ドルの評価額を達成した。これはわずか7か月前、5億4500万ドルの評価額だったことを考えると15倍の急騰であり、AI業界に大きな波紋を広げている。同社は2024年3月に、Google DeepMindで活躍した2人の元研究者、ミシャ・ラスキン氏とイオアニス・アントノグロウ氏が共同創業。ラスキン氏はDeepMindのGeminiプロジェクトで報酬モデルを率い、アントノグロウ氏は世界初の囲碁AI「AlphaGo」の開発メンバーの一人として知られる。 Reflection AIは、従来の自律的コード生成に特化したスタートアップから、米国版の「オープンフロンティアAIラボ」としての位置づけを強化。中国のDeepSeekやQwen、Kimiといったオープンアーキテクチャを採用したAIモデルの台頭を受けて、「米国が世界の知能基準を主導するためには、自らのオープンAI開発を加速する必要がある」とラスキン氏は強調。中国モデルの使用は、企業や国家レベルで法的リスクを伴うため、米国とその同盟国は自前開発に依存せざるを得ない状況にあると指摘。 同社は、DeepMindやOpenAIのトップ人材を多数採用し、大規模なAIトレーニングスタックを構築。今後、数兆単位のトークンで学習された前線言語モデル(LLM)を来年初頭にリリースする予定。特に注目されるのは、従来は大手企業に限られていた「Mixture-of-Experts(MoE)」アーキテクチャを、オープンかつスケーラブルに実現した点。モデルの重み(重みパラメータ)は公開し、誰でも利用可能にすると同時に、トレーニングデータやパイプラインは一部限定的に保有する戦略を採用。 収益モデルは、企業や政府が自社のインフラ上でモデルを運用できる「主権AI(Sovereign AI)」開発支援に特化。企業はコストの最適化やカスタマイズ性を求めるため、オープンモデルへの需要が高まる。投資家にはNvidia、Sequoia、CRV、Eric Schmidt氏らが名を連ね、米国のAI戦略を支える重要な存在として期待されている。 Hugging Faceのクレム・デラング氏は、「米国のオープンAIを強化する好材料」と評価。一方で、モデルやデータの迅速な共有が今後の鍵になると指摘。Reflection AIは、米国がAIの未来を主導するための「オープンフロンティア」の旗手として、今後の動向が注目される。
