インスタグラム幹部、AIの影響に向き合い「創作の民主化」を訴えつつ「信じるな」教育の必要性を強調
Instagramの責任者アダム・モスセリ氏は、人気クリエイターのMrBeast(ジェイミー・ドナルドソン)がAIによる動画生成の進展に懸念を示したことに反論しつつ、社会全体が変化を受容する必要があると述べた。モスセリ氏は、AIがクリエイティブな活動の門戸を広げ、これまで制作に手を出せなかった人々が質の高いコンテンツを生み出せるようになると強調。特に、コンテンツ制作コストをほぼゼロに近づける可能性があると指摘。彼は「インターネットがコンテンツの配信コストをゼロにしたのと同様、AIは制作コストを大きく下げる」と説明した。 しかし、同時にAIの悪用リスクも認め、特に「悪意ある行為」に使われる恐れがあると警告。また、子供たちが成長する中で、「動画を見たからといって事実とは限らない」という認識を育てる必要があると述べた。彼自身の子どもは9歳、7歳、5歳で、彼は「私が若い頃は動画を見ればそれが現実の出来事だと信じられていたが、今後はそうはいかない」と語った。そのためには、発信者の意図や動機を問う力が求められると強調した。 AI生成コンテンツの識別について、モスセリ氏はMetaが当初導入した自動ラベル付けシステムは「現実的ではない」と批判。AIツール(Adobeなど)が編集プロセスに使われている場合、本物のコンテンツまで誤ってAIとマークされてしまう問題が発生したため、現在の方法には限界があると指摘。代わりに、ユーザーが信頼できる情報を得られるような「文脈」を提供すべきだと提言。具体的には、コミュニティによる検証機能「Community Notes」の活用が検討されている可能性がある。 また、AIの影響は完全に合成されたコンテンツにとどまらず、現状の多くのコンテンツはAIと人間のハイブリッドで作られていると説明。将来的には「本物」と「AI生成」の境界が曖昧になり、中間的なコンテンツが主流になると予想した。 Instagramの今後の戦略として、ReelsやDMを核に据える方針を維持しつつ、TV向け専用アプリの開発も進める意向を示した。TikTokの米国事業の変更についても言及し、「同じアプリ、同じアルゴリズム、同じクリエイター」として、実質的な変化は限定的だと評価。競争が強化され、Instagramがより良いサービスを提供するよう促されていると述べた。
