Nvidiaが史上初の5兆ドル企業に、株価上昇で記録達成、CEOはAIバブル論を否定。
米国半導体企業のナビディア(Nvidia)が、世界で初めて市場評価額5兆ドル(約75兆円)を突破した。2024年4月上旬、米国時間4月3日午前9時半頃、同社株価が一時212.19ドルまで上昇し、市場評価額が5兆ドルを超えた。これはわずか3か月前、同社が4兆ドルを達成したばかりという急速な成長を示しており、株価は今年だけで50%以上上昇している。ナビディアは、人工知能(AI)ブームの最大の恩恵を受けた企業として、GPU(グラフィックス処理ユニット)の供給不足と高い需要により、データセンターにおける大規模言語モデルの学習や推論に不可欠な存在となっている。 この記録的な評価額の背景には、複数の重要な展開がある。まず、ナビディアは2024年4月2日、通信機器大手ノキアに10億ドルを出資し、AIネイティブな5G-Advancedおよび6Gネットワークの開発を共同で推進する戦略提携を発表した。この提携により、ナビディアのプラットフォーム上で通信事業者が次世代ネットワークを構築できる体制が整い、AIとインフラの融合が加速する。また、同日、同社のジェンセン・ファンCEOは、今後AIチップの売上高として5000億ドル規模の受注を見込むと発表。さらに、国家安全保障やエネルギー、科学分野向けに、米国政府向けに7基の新たなスーパーコンピュータを建設すると明らかにした。これらのプロジェクトには数千台のナビディアGPUが投入される予定で、国家レベルのAIインフラ強化を牽引している。 さらに株価を押し上げたのは、ドナルド・トランプ米国大統領が、中国の習近平国家主席と会談する際に、ナビディアの高性能AIチップ「ブラックウェル(Blackwell)」について議論する意向を表明した点だ。現行の輸出規制により、ブラックウェルチップは中国への販売が制限されているが、その戦略的価値が国際的に注目されるようになり、投資家心理を刺激した。この動きは、AI技術が地政学的競争の中心に位置づけられていることを示している。 ナビディアの急成長は、AIが産業構造を再編する可能性を示す象徴的な出来事でもある。同社の市場評価額は、米国、中国、日本に次ぐ世界第4位の国際経済規模を上回り、AI関連の投資が経済全体に波及する現象の証左である。一方で、国際通貨基金(IMF)やイングランド銀行などは、AI関連株の急騰が「AIバブル」の兆候であると警告しており、技術の実用化が投資期待に追いつかない場合のリスクに警鐘を鳴らしている。 ナビディアの成功は、かつてゲーム用プロセッサから始まった企業が、AI時代のインフラを担う存在に進化したことを物語っている。今後も、AIとハードウェア、ネットワークの融合が加速する中で、ナビディアの役割はさらに重要になるだろう。
