若者たちが描くデジタル未来:EU専門家が解説する「The Future Report」の核心
グーグルと若者コンサルタント・リビティが共同で発表した「The Future Report」は、フランス、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ポーランド、スペイン、スウェーデンの13~18歳の7,000人以上を対象にした若者たちのデジタル未来に対する意識を調査した重要な報告書である。報告書は、若者たちがデジタル生活を「好奇心に満ち、批判的で、希望に満ちている」と評価し、AIの活用に前向きな姿勢を示していると結論づけている。実際、40%がAIツールを毎日またはほぼ毎日使用しており、学習や創作活動、言語学習、情報検索など幅広い場面で活用している。81%の利用者は、AIが学びや創造性の向上に「ある程度」または「大きく」貢献したと回答。特に、複雑なテーマの説明(47%)、即時フィードバック(42%)、学びの楽しさ向上(38%)の面で効果を実感している。 また、57%の若者が毎日またはほぼ毎日、アルゴリズムによるおすすめや友人からの共有、自分で検索するなどして新しいコンテンツに出会っている。56%は、パーソナライズされた推薦が「本物に興味を引く内容」を発見する助けになると述べている。 一方で、若者たちはAIの依存や思考力の低下といった懸念も明かしている。AIに「思考を代行されない」こと、情報の信頼性やバイアスを自分で確認する必要があることへの意識が高い。彼らは、AIの利用にあたって「透明性」や「データの取り扱い」の明確化を強く求め、14歳のスペインの参加者は「自分が入力した情報が保存されるのか、誰かに見られるのか、はっきりしてほしい」と語っている。 報告書は、若者たちのデジタルリテラシーの育成、安全な体験、年齢に適した環境整備を重視すべきだと提言。アクセス制限ではなく、教育的支援と健全な設計が不可欠とし、若者たちが「未来を共に作り上げる」存在として、声を届けるべきだと強調している。 欧州委員会の「Better Internet for Kids」プログラムの政策リーダーであり、欧州委員会のデジタル市民教育専門家グループメンバーであるブライアン氏は、この報告書を「若者の視点を尊重し、真のデジタル社会のあり方を再考する契機」と評価。若者たちの声が、公正で包摂的な未来の設計に不可欠であると訴えている。
