DeepSeek研究者、AIが10年以内に大多数の職を消滅させる可能性を警告
中国のAI企業・ディープシーク(DeepSeek)の上級研究者、陳徳力氏が、AIが今後10年以内に大多数の職業を消失させかねないとして、警鐘を鳴らした。11月15日、ウイーレンで開催された世界インターネット会議のパネル討論で、陳氏は「AIは今後10~20年で、多くの職業を消滅させる可能性がある」と指摘。その過程で社会構造も大きな試練に直面するだろうとし、「テック企業は人間の安全を守る『守護者』としての役割を果たすべきだ。その後、社会秩序の再構築にも貢献すべきだ」と訴えた。 陳氏は、AIの短期的影響はポジティブだと分析。AIが独立してタスクを完遂できない現段階を「ハネムーン期」と呼び、人間の生産性を高めるツールとしての価値が顕著になると説明。しかし、5~10年後にはAIの能力が急激に向上し、労働市場に深刻な打撃が生じる可能性があると予測。その際、企業は「リスクの告発者」として、社会に警戒を呼びかけるべきだと強調した。 ディープシークは今年初め、低コストで高精度な推論モデル「R1」を発表し、業界を震撼させた。このモデルは、チャットGPTのo1と同等の性能を、格安で実現したことで注目を集めた。米国政府への書簡で、OpenAIは「米国のAIリードは広くなく、中国の進展により狭まっている」と認め、同社の存在が米中AI競争の転換点と見なされている。 8月、OpenAIは「オープンウェイト」のGPT-ossシリーズを発表。この動きは、中国のオープンソースAIモデル、特にディープシークの成功に影響されたとみられる。Futurum Groupの半導体・新技術研究責任者、レイ・ワン氏は、GPT-ossが中国モデルと同等の性能を発揮しており、「米中のAI格差を縮めた」と評価。もし米国がオープンソースAIで後れを取れば、中国モデルがグローバルなアプリケーションや研究の基盤となる可能性があると警告している。 陳氏の発言は、技術進化の速さとその社会的影響を再認識させるものであり、AIの発展に伴う責任あるリーダーシップの重要性を改めて浮き彫りにしている。
