パランティアとNVIDIAが提携、企業向けAI推進の次世代基盤を構築
NVIDIAとPalantir Technologiesが、企業や政府機関の複雑な運用システムをAIで最適化するための包括的な技術連携を発表した。この提携により、データ分析、自動化、専用AIエージェント、参考ワークフローを統合した「運用型AI(Operational AI)」向けの新スタックが構築される。PalantirのAIプラットフォーム(AIP)の核となる「Ontology」が、NVIDIAのGPU加速処理技術やCUDA-Xデータサイエンスライブラリ、オープンモデル「Nemotron」、および高速計算インフラと統合され、実世界の業務プロセスをリアルタイムで把握・意思決定に活かす「意思決定知能(Decision Intelligence)」の実現が目指される。 NVIDIAのジェンセン・ファンCEOは「AIを現場で動かす」という共通のビジョンを強調。NVIDIAのAIエントープライズプラットフォームとPalantirの知能基盤を融合させ、世界の複雑な産業プロセスを支えるAIアプリケーションとエージェントの開発を加速すると述べた。Palantirのアレックス・カープCEOも「顧客に即時かつ大きな価値をもたらすAIの実装」を目指しており、NVIDIAの最先端インフラとの連携を評価した。 実際の導入事例として、ホームセンター大手のLowe’sがこの統合スタックを採用。世界規模の物流ネットワークをデジタルツインとして構築し、需要変動への迅速な対応やコスト削減、顧客満足度向上を実現。同社のデジタル・情報責任者セーマンティーニ・ゴドボレ氏は、「現代のサプライチェーンは非常に複雑で動的。AIが変化に迅速に対応できるようになる」と語った。 この連携により、金融、医療、小売、公共部門など、厳格なデータプライバシーとコンプライアンス要件を満たす環境でも、AIによる業務自動化が可能となる。NVIDIAのブラックウェルアーキテクチャの導入も予定されており、データ処理からモデル開発、運用までのAIパイプライン全体を加速。特に「長時間の推論を伴うAIエージェント」の実行が可能になり、企業はNVIDIA AIファクトリーで最適化されたAIPを活用できる。 NVIDIA GTCワシントンD.C.では、PalantirとNVIDIAによる実践ワークショップも開催される。この提携は、AIを「データから意思決定へ」変換する基盤を確立する重要な一歩と位置づけられている。
