13歳の天才少年がAIで高齢者の転倒検出システムを開発、2万5000ドルの賞金を獲得
13歳のケビン・タン氏が、高齢者の転倒をリアルタイムで検知するAIデバイス「FallGuard」を開発し、3Mヤングサイエンティストチャレンジで優勝し2万5000ドルの賞金を獲得した。タン氏の母親がキッチンで転倒した際、家族が気づくまで時間がかかり、重度の脳損傷を負ったことがきっかけ。その後、友人の祖父母も遠方に住んでおり、転倒に気づかずに翌日になってから発覚したことを知り、多くの高齢者が同じリスクにさらされていることに強い関心を抱いた。 FallGuardは、壁に設置するカメラとAIを活用し、人の姿勢や動きをリアルタイムで分析。MediaPipeというGoogleのAIライブラリを用いて、身体のキーポイントをマッピングし、二段階のアルゴリズムで転倒を検出。特に、1秒前の速度変化を確認することで、意図的な横たわりと転倒を区別する。検知されると、家族のスマートフォンに即座にアラートが送られる。カメラに映った映像は記録・送信されず、プライバシーを守る設計になっている。 現在の仕組みは1台のコンピュータと1台のカメラに限られるが、タン氏は複数のカメラを1台のデバイスで管理できる仕組みの開発を進めている。また、賞金の一部を活用し、MacBookを購入してPC版アプリを開発。誰でも自分のパソコンを使ってFallGuardを構築できるようにしている。 3Mのメンターであるロボティクス・AI専門家マーク・ギルバートソン氏は、タン氏のプロジェクトが個人的な経験に基づく真摯な思い入れを持っている点に感銘を受けたと語る。実際に、聴覚障害を持つ男性から「妻の転倒に気づけず、この装置が生活を変える」との声も寄せられている。現在までに約500家族から問い合わせがあり、社会的意義の大きさが実感されている。 タン氏が最も誇りに思っているのは、初めの三脚とカメラの簡易モデルから始まり、アプリまで進化させたプロセスそのものだ。賞金やメディアの注目ではなく、技術の進化と実用性の実現に情熱を注いでいる。彼の取り組みは、AIが単なる便利さを超えて、人間の命と生活の質を守る可能性を示している。
