運輸省、AIで安全規則草案作成に「重大なリスク」懸念の声
米運輸省(DOT)がAIを活用して安全規則の草案作成に着手したことが、内部スタッフから強い懸念を招いている。当局が採用したのはグーグルのAIモデル「Gemini」で、規則作成の初期段階で自動的に文書を生成する手法が導入された。しかし、複数の職員はこの取り組みを「極めて無責任な行為」と非難し、誤った規則内容がもたらす可能性のある事故や人的被害を警戒している。 職員らによると、AIが生成する文書には論理の飛躍や誤った技術的根拠が含まれるリスクがあり、特に交通安全性を左右する規則においては、わずかな誤りが重大な事故につながる恐れがある。また、AIは過去のデータに基づいて出力するため、最新の技術や安全基準を適切に反映できないという問題も指摘されている。 運輸省はAIを「効率化ツール」と位置づけており、最終的な決定は人間の専門家が行うとしているが、内部では「AIの出力に過度に依存すれば、規則の信頼性が損なわれる」との声が広がっている。特に、AIが生成した内容の検証や修正に必要な人的リソースが不足していることも課題とされている。 この動きは、政府機関におけるAI活用の限界と責任の所在を問う重要な事例となっている。AIを活用するにあたっては、技術のスピードよりも安全性と透明性が優先されるべきであるとの指摘が、行政内部からも相次いでいる。
