Anthropic、低コストで効率的なAIモデル「Claude Haiku 4.5」をリリース
Anthropicは10月にClaude Haiku 4.5を発表し、同社最小規模のモデルとして、性能とコストのバランスを大幅に向上させた。この新バージョンは、同社の中規模モデルであるSonnet 4.5と同等の性能を、コストは約1/3、速度は2倍以上に達するとしている。ベンチマークテストでは、ソフトウェア開発能力を測るSWE-Bench Verifiedで73%、コマンドライン操作を評価するTerminal-Benchで41%を記録。これはSonnet 4.5よりやや低くはなるものの、Sonnet 4、GPT-5、Gemini 2.5と同等の水準に達しており、ツール利用、コンピュータ操作、視覚推論などの分野でも同様の性能を示している。 Haiku 4.5は、無料ユーザー向けのデフォルトモデルとして採用され、低コストかつ高速な特性から、AI製品の無料版やリアルタイム性が求められるアプリケーションに特に適している。特にソフトウェア開発ツール分野では、Claude Codeの利用が広がる中、遅延が課題となる場面で大きな価値を発揮すると見込まれる。Zencoderのアンドリュー・ファイルフCEOは、「まったく新しいユースケースを可能にした」と評価している。 Anthropicのチーフプロダクトオフィサー(CPO)のマイク・クリーガー氏は、「Haikuは生産環境におけるAIの新たな展開を可能にする。Sonnetが複雑な計画を立て、Haikuが高速でサブタスクを実行するという、エージェントの分業体制が実現できる」と述べ、モデル間の連携による「エージェントツールボックス」の構築を強調。例えば、Haikuが大量の金融データをリアルタイムで監視し、その初期洞察をSonnetに渡して深層分析を行うといった使い方が可能になる。 Haiku 4.5の発表は、同社がわずか2週間前にはSonnet 4.5、2か月前にはOpus 4.1をリリースしたばかりという、急速なモデル刷新の流れの一部である。現在、同社は年内または来年初頭にOpusのアップデート版の開発を進めている。無料ユーザーはSonnet 4.5も利用可能だが、Haiku 4.5は軽量性からより多くのリクエストを処理でき、特にモバイルアプリでの体験向上に寄与する。クリーガー氏自身も、スピード重視の用途ではHaikuを「デフォルト」にしていると語っている。 Anthropicは、OpenAIやGoogleと競合するAIスタートアップとして、2025年版CNBC Disruptor 50で第4位にランクされ、1830億ドルの評価額を記録。30万人以上の企業顧客を抱え、GPT-5の登場後、OpenAIがインフラ投資やSoraといった新製品を発表する中、同社も開発サイクルを加速させている。その背景には、モデルのトレーニングと同時に次のバージョンの開発を進めているという「全速前進」の姿勢がある。AI業界の競争は依然として激しさを増しており、性能、速度、コストの三要素をいかに最適化するかが、今後の勝敗を分ける鍵となる。
