NVIDIA、次世代自律走行車開発キット「DRIVE AGX Thor」を一般提供へ
NVIDIAは、自動運転車(AV)開発を加速するための「NVIDIA DRIVE AGX Thor Developer Kit」の一般提供を発表した。この開発キットは、BlackwellアーキテクチャのGPU、次世代Arm CPU、およびNVIDIA DriveOS 7ソフトウェアスタックを搭載し、ISO 26262 ASIL-D機能安全基準とISO 21434セキュリティ基準を満たした生産対応プラットフォームとして設計されている。自動運転技術の進化に伴い、視覚・言語・行動を統合した多モーダルモデル(VLAs)、大規模言語モデル(LLMs)、生成AIによるカスタマイズされた助手など、高度なAI処理が車両内でのリアルタイム実行が求められる中、強力なエッジコンピューティング基盤の必要性が高まっている。 DRIVE AGX Thorは、前世代のOrinチップを大幅に上回る性能を実現。GPUはFP32/16/8/4ビット対応のBlackwell GPUを搭載し、最大1,000 INT8 TFLOPS、2,000 FP4 TFLOPSを達成。CPUは14コアのArm Neoverse V3AEで、Orin比で約2.3倍の性能を発揮。メモリ帯域幅は273 GB/s(LPDDR5X)と拡張され、大容量データ処理に最適化されている。また、64GBのLPDDR5Xメモリ、256GBのUFSストレージ、16GbpsのEthernet接続、GMSL2/3カメラインターフェースなどを備え、実車レベルの開発環境を可能にしている。 NVIDIA DriveOS 7は、AI推論、リアルタイム処理、安全・セキュリティを統合したソフトウェア基盤として、LLM SDK Runtimeを搭載。C++で構築された低遅延ランタイムにより、Llama 3、Qwenシリーズなど複数のLLMとVLM(視覚言語モデル)をエッジで効率的に実行可能。INT4、FP8、NVFP4の低精度推論をサポートし、モデルの軽量化と高速化を実現。TensorRT 10との連携により、動的カーネル生成、ブロックワイズスケーリング、動的バッチ処理など、開発者体験を大幅に向上。 開発者は、Ubuntu 24.04 LTSベースのDriveOS Linuxプロファイル(開発・本番・テスト用)を使い、安全基準を満たした開発を進められる。NGCドッカー容器やDRIVE AGX Thor Developer Forumを通じて、開発環境の迅速構築とコミュニティ支援も可能。開発キットは2025年9月の出荷を予定し、事前注文受付中。自動車メーカー、Tier-1サプライヤー、研究機関が、次世代知能型モビリティの実現を加速するための強力なツールとなる。
