OpenAIがChatGPTに広告をテスト導入
OpenAIは2024年2月、米国でChatGPTへの広告掲載テストを開始した。対象はログイン済みの成人ユーザーで、無料版(Free)と低価格サブスクリプション「Go」(月額8ドル)の利用者に限られる。プレミアムプランであるPlus、Pro、Business、Enterprise、Educationのユーザーは広告を一切見ない。この試験は、無料・低コストユーザー向けのサービス維持と、より強力なAI機能の拡充を可能にするための収益モデルの一環。OpenAIは、広告が回答の質に影響を与えないこと、ユーザーの会話内容が広告主に共有されないことを明確にしている。広告は「スポンサード」と明記され、本物の回答と視覚的に分離されている。 広告の表示は、ユーザーの会話内容や過去のチャット、広告クリック履歴に基づいて行われる。たとえば、レシピの検索中にグルメ配送サービスや食料品セットの広告が表示される。複数の広告が該当する場合、最も関連性が高いものを優先表示。広告主はユーザー個人のデータにアクセスできず、得られる情報は「インプレッション数」や「クリック数」などの集計データに限られる。18歳未満のユーザー、および健康、精神健康、政治など敏感なトピック周辺には広告を表示しない。 ユーザーは広告を非表示にしたり、表示理由を確認したり、広告データをワンタップで削除できる。また、広告のパーソナライズ設定をいつでも調整可能。OpenAIは、広告がユーザーの意思決定プロセスを補助する「有用な情報源」として機能することを目指しており、特に選択肢を検討している場面での広告の有用性を重視している。 この動きには、同業他社の反応もあった。競合のAnthropicはスーパーボウルで「広告なしのAI」を訴求するテレビCMを放映し、OpenAIの広告導入を皮肉った。これに対し、Sam AltmanCEOは「不誠実な広告」と反発し、同社を「独裁的企業」と批判。当初、Altmanは広告を否定していたが、コスト増と収益確保の必要性から方針転換を余儀なくされた。 ChatGPTは2022年のリリース以来、約10億ユーザーを獲得。同社の評価額は5000億ドルに達し、今後は1兆ドル規模の上場も見込まれる。しかし、高性能なAI処理には膨大な計算リソースが必要で、資金調達と収益化が急務。無料ユーザーの多くがプレミアムプランに移行しない現状から、広告は収益の柱となる可能性が高い。 OpenAIは、広告の導入にあたって「信頼」「プライバシー」「ユーザー制御」を最優先。今後は広告の種類や配信方法を段階的に拡充する予定で、企業向けの広告プログラムも順次開発していく。ユーザーのフィードバックを重視し、広告が自然に溶け込み、不快感を与えない体験を実現するための学びの段階と位置づけている。
