RAM不足が2026年、スマホからPCまですべてを直撃へ
AI需要の急増により、世界中のRAM(メモリ)供給が逼迫し、2026年までにスマートフォンからゲーム機、PC、ルーターに至るまで、あらゆる電子機器に価格上昇や不足が広がる見通しです。専門調査機関のIDC、Omdia、Counterpointは、2025年のスマートフォン出荷台数が過去最高の12.5億台に達した一方で、2026年以降はRAM不足による価格高騰と供給制限が顕著になると指摘しています。特に、メモリの95%を韓国・サムスンとSKハイニックス、米国・マクロンの3社が支配しており、AI企業の巨額需要により、これらの企業はAI向け生産を優先。その結果、一般消費者向け製品への供給が圧迫されています。 スマホでは、中級機のメモリコストが部品費の15~20%を占め、高級機でも10~15%。IDCは、平均的なスマホ価格が8%上昇し、特に低価格帯では「大幅な値上げ」が避けられないとしています。500ドルのスマホが600ドル以上になる可能性も。Appleも同様に、サプライチェーン圧力でiPhone価格引き上げを検討しており、業界関係者は「サムスンやSKハイニックスからメモリを再交渉した結果、コストが80~100%増」したと報じられています。 ゲーム機も影響を受けています。Nintendo Switch 2の価格上昇や、PS6の発売が2028年以降に延期される可能性が浮上。ValveはSteam Deckの価格を399ドルから549ドルに引き上げ、OLEDモデルは供給不足で即日完売。LenovoのLegion Go 2やMSI Claw 8 AI Plusも価格が上昇。PC市場はさらに深刻で、DellやLenovo、HP、Asus、Acerなどが10~30%の価格引き上げを検討。Framework社は1GBあたりのメモリ単価が10ドルから16ドルに跳ね上がり、新製品を6~16%高値で販売。Lenovoの楊元慶CEOも「前四半期のメモリコストが40~50%増」と語り、今後は価格が倍増する可能性も示唆。 メモリ工場の増設は遅れており、マクロンのアイダホ工場は2027年中盤開業、本格的な供給は2028年以降。IntelのCEOも「2028年まで緩和は見込めない」と断言。供給の回復は長く、消費者の財布に直接影響が及びます。RAM不足は「RAMageddon」と呼ばれ、AIの恩恵を享受する一方で、私たちの日常の電子機器が高額化・不足するという逆風をもたらす、深刻な構造的問題です。
