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AIが流体力学の未解決問題に新たな解を発見——不安定な特異点の系統的発見で百年の謎に迫る

グーグル・ディープマインドは、流体動力学における100年以上にわたる未解決問題に新たな解を提示した。同社とブラウン大学、ニューヨーク大学、スタンフォード大学などの共同研究チームは、流体の運動を記述する複雑な方程式において、これまで知られていなかった「不安定な特異点(blow ups)」の新しい一族をAIを用いて発見した。特異点とは、速度や圧力が無限大になるような理論上の極限状態で、流体の挙動の根本的な限界を理解する鍵となる。 研究では、深層学習と数理的制約を融合した独自のAI手法を用い、3つの主要な流体方程式(不可圧縮多孔質媒体方程式、Boussinesq方程式など)に対して、これまでにない規模で不安定な特異点を系統的に探索。特に、特異点の発生速度を示すパラメータ「λ(ラムダ)」と、その不安定性の程度を表す「不安定度」の間に明確なパターンが見つかった。このパターンは、さらに多くの未知の特異解が存在する可能性を示唆している。 研究の第一著者であるNYUのポスドク研究員・王永基氏は、「AIが数学的直感と極めて高い精度を組み合わせることで、かつては発見困難だった特異点を系統的に発見できるツールに進化した」と述べている。この成果は、AIが単なる計算支援を超えて、数学・物理学・工学分野における根本的な問題解決に貢献する可能性を示している。 特に注目すべきは、ナビエ–ストークス方程式における特異点の存在を証明できれば、ミレニアム賞問題の一つに挙げられる「未解決の難問」に近づく可能性がある点だ。今回の研究は、AIを用いた数学的発見の新しい道を開くものとして、科学界に大きな影響を与えると期待されている。

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