NVIDIAとパートナーがAI-RANの実用化を実証、MWCでソフトウェア定義の次世代無線ネットワークの進展を発表
NVIDIAと複数のパートナー企業が、AIを活用したソフトウェア定義型無線ネットワーク「AI-RAN」の実用化を進めており、次世代通信の基盤としての可能性を示している。3月2日から5日までバルセロナで開催されるモバイルワールドコングレス(MWC)を前に、NVIDIAとノキアは欧州・アジア・北米の主要通信事業者と連携し、AI-RANの実証実験を現場で実施。T-Mobile U.S.、ソフトバンク、インドネシアのインドネシア・オーレドゥ・フッチソン(IOH)などは、NVIDIAのAI-RANプラットフォームを用いて、5Gネットワーク上でAI処理と無線アクセスを同時に実行する実証に成功した。 T-Mobileは3.7GHz帯のマスティブMIMO技術を活用し、動画ストリーミングや生成AI、AI字幕生成などのリアルタイムアプリを商用端末で動作させた。ソフトバンクは、完全にソフトウェア定義された5Gで16層のマスティブMIMOを実現し、AI-RANの商業化に向けた技術的飛躍を達成。IOHは、東南アジア初のAI搭載5G通話の実現に成功。リアルタイムでロボットドッグを遠隔操作するなど、安全で低遅延なクロスボーダー接続を実証した。 また、SynaXGはNVIDIAのAI Aerialプラットフォーム上で、4G・5G(FR1・FR2)を統合し、AIエージェントワークロードを1台のGH200サーバーで動作させる世界初の実装を達成。20のキャリア(CC)を同時に処理し、36Gbpsのスループットと10ms未満の遅延を実現。 MWCでは、NVIDIAプラットフォームを活用したAI-RANデモが26件(全体の33件中)に上り、前年比3倍の規模。DeepSigはAIが信号の符号化・復号を学習する新方式を提案し、スペクトル効率を2倍に改善。SUTDとNVIDIAは、ロボットや自動運転車のAI処理をデバイス・エッジ・クラウドに分散させる実装を披露。zTouch Networksは、GPUリソースをAIとRANで安全に共有する仕組みを構築。 NVIDIAはAI-RANの基盤として、CUDA加速ライブラリをオープンソース化し、Linux Foundation主導のOCUDUエコシステムにも参加。通信業界の77%がAI-RANの導入を早期に実現すると予測するなど、AIネイティブな6Gへの移行が加速している。AI-RANは、自律移動体やスマートシティの基盤として、安全でオープン、かつ高度な知能を内蔵した次世代ネットワークの実現に向け、着実に前進している。
