テック企業がAI時代に備えた教育推進へ協力、ピチャイ氏がホワイトハウスで表明
アメリカのAI教育推進に向けた重要な動きが、ホワイトハウスで開催されたAI教育タスクフォース会議を通じて明らかになった。第一夫人メラニア・トランプが主催したこのイベントでは、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、メタ、アップル、オープンAIなど主要テック企業の経営陣が一堂に会し、AI時代に備えた国民の教育支援に向けた具体的な取り組みを発表した。同日午後にはドナルド・トランプ大統領がローズガーデンで複数のCEOを招き、AI政策の方向性を共有する予定だった。 グーグルのサンダー・ピチャイCEOは、同社が今後3年間で10億ドルを米国教育・職業訓練に投資すると発表。そのうち1億5000万ドルをAI教育とデジタル健全性(digital wellbeing)支援のための助成金に充てる。具体的には、コード・オーガナイズ(code.org)に300万ドルを提供し、カリキュラムにAI機能を統合。また、養護施設から独立する若者を支援するフローリッシュ・ファンドに200万ドルを拠出。さらに、AI教育アクセラレーターを200校に拡大し、テキサスA&M大学システムやアイオワ州のコミュニティカレッジも対象に加わった。また、すべての米国高校に「Gemini for Education」を無償提供し、生徒と教員が最先端のAIツールを活用できる環境を整備。AIによる学びの個別化や指導支援を可能にする「ガイド付き学習(Guided Learning)」機能も提供される。 マイクロソフトは、学校アカウントを証明した学生に対し、1年間のMicrosoft 365 PersonalとCopilotの無料利用を提供。教員と学生向けにAI関連のLinkedIn Learningコースも無料開放。アマゾンは2028年までに400万人のAIスキル習得を支援するとし、1万の教育者にAIカリキュラムの開発を支援。また、教育機関がクラウドやAI技術を活用する際のAWS利用料金として3000万ドル相当のクレジットを提供する。 これらの取り組みは、AIが社会の基盤を変える中で、教育格差の是正と人材育成の強化を目的としている。専門家からは、「企業主導の教育投資が、国家レベルのAI人材戦略の柱となる可能性がある」との評価が寄せられている。特に、AI教育のインフラとしてのクラウドとAIモデルの提供は、地域や経済的背景にかかわらず学びの機会を均等にすることに貢献する。今後の展開には、教育現場の実践的な導入支援や、AI倫理、情報リテラシーの教育強化が求められる。こうした企業と政府の連携は、AI時代の持続可能な社会構築への重要な一歩とされている。
