HyperAIHyperAI

Command Palette

Search for a command to run...

AI、救急診療のトリージュでは医師・看護師に及ばず 研究が示す

医療現場におけるAIの限界を示す研究が、欧州救急医学会議で発表された。リトアニア・ヴィリニュス大学のポスドク研究者、レナタ・ユクネヴィチエネ氏が主導したこの研究では、救急部での患者の重症度判断(トリアージ)において、ドクターや看護師がAIよりもはるかに優れた判断力を発揮することが明らかになった。研究対象は、ヴィリニュス大学病院サントロス・クリニックス救急部に勤務する6人の医師と51人の看護師。彼らは、PubMedからランダムに選ばれた110例の臨床ケースを、マンチェスター・トリアージシステムに基づいて5段階の緊急度に分類した。同じケースを、ChatGPT 3.5が分析した結果と比較した。 その結果、AIの全体的な正確性は50.4%にとどまり、看護師の65.5%、医師の70.6%を下回った。特に、重篤な症例を正しく識別する「感度」では、AIは58.3%にとどまり、看護師の73.8%、医師の83.0%に大きく及ばなかった。医師はすべての分野で最も高いスコアを記録した。ただし、最も緊急度の高いケース(1番目)では、AIが看護師よりも正確性(27.3%対9.3%)と特異性(27.8%対8.3%)で優れていた。これはAIが「過剰にトリアージ」する傾向がある一方で、重大な危険ケースをより慎重に捉える可能性があることを示唆している。 ユクネヴィチエネ氏は、「AIは臨床判断を置き換えるべきではなく、医師や看護師の意思決定支援ツールとして活用すべきだ」と指摘。特に、人手不足や救急部の混雑が深刻化する中で、新人スタッフのサポートや緊急度の一致した判断の補助に役立つ可能性があると述べた。ただし、過剰なトリアージは効率を損なうため、人間の監視と慎重な導入が不可欠だと強調した。 研究の限界は、サンプル数が少なく、単一病院での実施、リアルタイムの臨床環境での検証が不可能だった点にある。また、ChatGPT 3.5は医療専用に訓練されていない。一方で、実際の臨床ケースを用いた多職種の比較、デジタル・紙媒体での調査の柔軟性、救急現場の課題に即した実用性は強みだった。 欧州救急医学会のバーブラ・バックス氏は、「AIはX線画像解析など一部の分野で有効だが、救急トリアージでは医療従事者の代替にはならない。ただし、慎重に導入し、医師や看護師の監視のもとで活用すべきだ」とコメント。今後、より高度なAIモデルや医療専用モデルの検証、VRを活用したトレーニングの導入も計画されている。

関連リンク

AI、救急診療のトリージュでは医師・看護師に及ばず 研究が示す | 人気の記事 | HyperAI超神経