EUがXに140万ドルの罰金、ブルーチェックの「誤解を招くデザイン」が原因
エロン・マスクが経営するソーシャルメディア「X」(旧Twitter)が、欧州連合(EU)から1200万ユーロ(約1400万米ドル)の罰金を科せられた。EUは2024年5月17日、Xの「青いチェックマーク」の設計が「誤解を招く」ものであり、ユーザーがアカウントの真正性を判断しにくく、詐欺やなりすましのリスクを高めているとして、違反を認定した。この決定は、EUの画期的規制「デジタルサービス法(DSA)」に基づくもので、2年前に調査が開始された。 欧州委員会は、Xが誰でも有料で「検証済み」のチェックマークを取得できる仕組みを導入したことで、アカウントの信頼性が曖昧になり、ユーザーが誤認するリスクが高まったと指摘。これはDSAが禁止する「誤った検証の主張」に該当すると判断した。さらに、研究者への公開データ提供の不備や広告リポジトリの透明性不足も違反とされた。 マスクは、EUの対応に対して反発を示し、米国副大統領JD・ヴァンスの投稿を再共有。彼は「EUが米国企業を『無意味な理由』で攻撃すべきではない」と警告した。Xの親会社であるAI企業「xAI」は、ビジネスインサイダーの取材に対し「伝統メディアの虚偽報道」という自動返信を送信した。 青いチェックマークの有料化は、マスクが2022年にXを買収した直後に行われた。以前は、公式に認定された人物や団体にのみ付与されていたが、有料化によりパロディアカウントが政治家や著名人を模倣する事例が相次ぎ、一部の製薬会社の株価が一時的に急落する事態も発生した。 その後、マスクはXの再編を進めており、2024年初頭にXを自らのAI企業xAIが買収したと発表。しかし、EUの規制姿勢には一貫して批判的で、前年の予備調査結果に対し「言論の抑圧」としてDSAを「誤情報法」と非難した。この罰金は、AIとソーシャルメディアの境界が曖昧になる中で、規制と技術革新の対立が顕在化する一例となっている。
