カリフォルニア州、AI安全規制の先駆けとなるSB 53法案を成立
カリフォルニア州がAI安全規制の先駆けとなる法律を制定した。州知事のガブリエル・ニュースォム氏はこのほど、SB 53を正式に成立させ、AIの大手開発企業であるOpenAIやAnthropicらに対して、自社の安全対策を公表し、遵守することを義務づけた。これは米国で初めて、大規模AI開発企業に安全プロトコルの透明性を求める法的義務を課す取り組みであり、今後の州レベルのAI規制動向に大きな影響を与えると見られている。 この法律の背景には、昨年同様の趣旨を持つSB 1047が、テック企業の強い反発を受けてニュースォム氏の拒否権行使により否決された経緯がある。SB 53が成立した理由として、業界との対話や調整が進み、過度な規制負担を避けつつ、実効性のある安全基準の策定を可能にしたことが挙げられる。Encode AIの公共政策副社長アダム・ビレン氏は、この法律が「AI開発の責任を明確にし、企業が安全を最優先に行動するインセンティブを生み出す」と評価している。 SB 53の対象となるのは、年間収益10億ドル以上、またはモデルの能力が特定の基準を満たす企業。同法では、AIシステムのリスク評価、テストプロトコル、緊急時対応策などの安全対策を、州当局に報告し、実施内容を公開することが求められる。また、安全対策の不履行に対しては罰則が設けられている。 この動きは、他州の模倣を促す可能性が高い。特に、AI開発の中心地として知られるシリコンバレーを抱えるカリフォルニアの動向は、全国的な規制スタンダードの形成に影響を与えると予想される。AIの安全性と透明性を確保するための実践的枠組みを、州レベルで構築した点で、SB 53は歴史的な意義を持つ。
