元OpenAI売上責任者がVCに転身、AIスタートアップの「モート」構築に注目
OpenAIの元セールスリーダーであるアリサ・ローゼンタール氏が、ベンチャーキャピタル企業Acrew Capitalに新規参画し、一般パートナーとして活動を開始した。彼女はOpenAI在籍中の3年間、DALL·EやChatGPT、Soraなどの主要製品のリリースを牽引し、エンタープライズセールスチームを2人から数百人に拡大した。退職後、当初はVCへの移籍を考えておらず、AIスタートアップとの面談を重ねていたが、Acrew Capitalの共同ファウンダーであるローレン・コロドニー氏の説得を受け、投資家としてのキャリアをスタートさせた。 ローゼンタール氏は、OpenAIでの経験を通じて、企業がAIを導入する際の「期待と現実のギャップ」を深く理解した。特に、大手モデル開発企業が競合製品を次々と発表しても、すべての分野に進出するわけではないため、AIスタートアップが「専門性」を武器に「モート」(競争優位)を築く余地があると指摘する。また、彼女が注目するのは「コンテキスト」——AIが処理中に保持する情報の蓄積と管理。従来のRAG(リトリーブ・オーガナイズド・ジェネレーション)を超えた「コンテキストグラフ」と呼ばれる持続的記憶構造が、今後のAI製品の鍵になると見ている。この分野では、記憶や推論の技術革新が待たれており、彼女はその分野でのイノベーションに期待を寄せている。 さらに、高価な最先端モデルに依存せず、コスト効率の高い「軽量モデル」にも投資の余地があると語る。彼女は、基礎モデルではなく「アプリケーション層」に注目しており、AIを活用して企業の業務効率を高める実用的なユースケースを持つスタートアップに注力する。彼女の強みは、OpenAI元メンバーのネットワークと、エンタープライズユーザーとの深い関係。多くの企業がAIの可能性を十分に理解していないため、そのギャップを埋めるビジネスの成長余地は非常に大きいと確信している。彼女の参画により、Acrew CapitalはAIスタートアップへの投資戦略をさらに強化する。
