テクノロジーの潮流を自動収集する専用エージェントの構築法
AIによるテクノロジー動向の自動調査を可能にする「研究エージェント」の構築方法を紹介する。一般的なChatGPTでは、広範なウェブ検索を行い、表面的な情報を提供するにとどまるが、このエージェントは専用のデータソースと構造化されたワークフローにより、テクノロジー全般からユーザーに合わせたパターンとトレンドを抽出できる。中心となるのは、毎日数千件の技術フォーラムやニュース記事を収集・分析するデータパイプライン。小規模なNLPモデルでキーワード抽出、カテゴリ分類、感情分析を行い、トレンドを可視化。その後、各キーワードに対して「事実」を収集するエンドポイントを実行。エンゲージメントの高い投稿を優先し、小さなモデルで内容を要約・選別。最終的に大規模言語モデル(LLM)で重要事実をまとめ、出典を保持した状態で出力する。 このプロセスの鍵は「キャッシュ」。初回は数分かかるが、再利用時は数ミリ秒。コストは数セント程度に抑えられる。小規模モデルを主に活用し、キーワード分類やデータ構造化に使用。大規模モデルは最終的な要約生成にのみ使用し、効率を最大化。特に、LLMが自然言語をJSON形式の構造化出力に変換するプロセス(プロンプトチェーン)を活用。ユーザーのプロフィール(例:CMO、開発者、CEOなど)をもとに、関連カテゴリ、キーワード、期間、要約の詳細度を自動設定。MongoDBなどで保存し、後続の報告生成に活用。 報告生成フェーズでは、ユーザーのプロフィールに基づき、関連キーワードを取得。事実データを並列で取得し、重複削除・出典リンク化。その後、2段階のプロンプトチェーンで「テーマの抽出」と「要約生成」を実施。テーマはユーザーの性格に応じてランク付けされ、2種類の要約(簡潔・詳細)とタイトルが生成される。最終段階でGPT-5クラスの推論モデルを使用し、質の高い出力を実現。 このエージェントはDiscord上で動作可能で、GitHubにコードが公開されている。構築にはソフトウェアエンジニアリングの視点が不可欠。LLMは「自動化の道具」だが、データパイプライン、キャッシュ、構造化出力、プロンプトチェーン設計が成功の鍵。AIの限界を理解し、人間の設計力とシステム設計が不可欠であることが示された。
