AIが発見した普遍型デングueワクチン、臨床前抗体生成へ進展——イミノプレシスがラビットモデルで効果検証
インムノプレシス・アンチボディーズ(NASDAQ: IPA)は、AIを活用した新世代のデングueウイルスワクチン開発において、前臨床段階の抗体生成に向けた重要な進展を発表した。同社は、自社開発のAIプラットフォーム「LENSai™」と特許技術「HYFT®」を用いて、デングueウイルスの全型に共通する保存領域(エピトープ)を発見・検証したことを6月に発表。その後、そのエピトープを基にしたワクチン候補の製造を開始し、カナダの自社施設でラットモデルを用いた免疫反応評価実験を進行中である。 この段階では、ワクチン候補が強力なモノクローナル抗体(mAb)反応を引き起こすかどうかを検証する。抗体の生成能力は、ワクチンの有効性を判断する鍵となる。同社のジェニファー・バースCEOは、「AIによる発見から実際の生物学的検証へと移行する重要な一歩」とし、「HYFT技術が従来の手法では見逃されがちな、保存性・特異性・免疫学的関連性を持つターゲットを特定できた」と強調。デングueが、同プラットフォームが感染症分野で実現可能な「トランスレーショナル・リアリティ」の最初の例であると述べた。 同社のアプローチは、AIによる仮想的探索(in silico)から実験的検証(in vivo)への一貫したプロセスを内包しており、米国FDAが推奨する人間関連性の高い予測モデルに合致する。このアプローチは、デングueに限らず、他の感染症や免疫腫瘍学分野への応用も視野に入れている。 一方で、前臨床研究には製造・免疫反応評価・ウイルス中和試験の不確実性、AI駆動開発の実行リスク、競争環境の変化、規制・市場動向の変化など、多様なリスクが伴うと同社は警告している。今後、臨床開発への移行に向けた成果が注目される。
