マスク、税対策でテスラ株約100億円を慈善団体に寄付
イーロン・マスク氏が、年間税務計画を目的として約100万ドル相当のテスラ株を慈善団体に寄付した。米証券取引委員会(SEC)が水曜日に公開した書類によると、マスク氏は火曜日に約21万株のテスラ株を非公開の慈善団体に贈与。同書類は、受領団体が「現時点で株式を売却する意図はない」と明記しているが、団体名は公表されていない。マスク氏およびテスラはコメントを控えた。 この寄付は、マスク氏の総資産(ブルームバーグ富豪ランキング推定6190億ドル)からすれば微々たるものだが、彼がテスラにおける経営権強化を図る戦略の一環であるとみられる。マスク氏は2008年からCEOを務めながらも、同社の議決権株式を十分に保有していないと繰り返し指摘。今年初めには、AIやロボティクス事業を拡大するには少なくとも25%の株式保有が不可欠だと述べており、10月にはCEOの座を失うリスクがある場合、「ロボット軍」の構築は避けたいと語っている。 こうした背景には、11月に株主承認を得た新たな報酬プランがある。このプランが実行されれば、テスラが今後10年間にかけて設定した製品開発および財務目標を達成した場合、マスク氏の保有株比率は現在の13%からほぼ29%まで上昇する可能性がある。 今回の寄付は、テスラが今週金曜日に年間販売実績を発表する直前に行われた。異例の動きとして、同社は月曜日に「分析家予想は楽観的でない」として、2年連続の販売台数減少を予測する見通しを公表。中国や欧州市場での販売低迷に直面する一方で、ロボタクシー開発への期待から株価は過去最高を記録している。マスク氏の寄付は、財務戦略と企業統治の両面で注目される動きとなっている。
