オラクル、株価急騰の中2人の社長を共同CEOに任命
Oracleは、AI基盤市場での競争力を強化するため、経営体制の大幅な変更を発表した。同社は、クラウド部門のトップであるクレイ・マゴイヤーク氏と業界事業部門のマイク・シチリア氏を共同CEOに任命した。この人事は、2014年からCEOを務めてきたサフラ・カッツ氏が執行副会長に退くとともに、共同創業者であり現任のCTO・会長であるラリー・エリソン氏が技術的指導を続ける形で、継承計画の一環として進められた。この変更は、同社がAIインフラ市場で急成長を遂げている中での戦略的転換を象徴している。 マゴイヤーク氏は2014年にアマゾンWebサービス(AWS)のソフトウェア開発エンジニアとして経歴をスタートし、Oracleに参画。クラウドエンジニアリングチームの創設メンバーとして、短期間で急成長を遂げ、Oracleクラウドインフラストラクチャ(OCI)のトップを10年以上にわたり務めてきた。その実行力とスピード感あるリーダーシップは評価されつつも、一部では批判もあった。一方、シチリア氏は2008年のプライマバ・システムズ買収以来、Oracleで多様な役割を経験。特にCerner買収プロジェクトのリーダーとしての実績と、産業向けクラウドアプリケーションにAIエージェントを統合する取り組みで注目されている。 カッツ氏は「Oracleは今、AIのトレーニングと推論の最適なクラウドとして認識されている。技術とビジネスの強さはかつてないほど高まっており、成長率も目を見張る」と述べ、強みを背景に後継者にバトンを渡すタイミングが成熟したと強調。同社の株価は、今月、クラウド事業の年間売上高が前年比77%増の180億ドルに達し、2030年には1440億ドルに達すると予想されたことで、単日で40%以上の急騰を記録した。 さらに、OracleはAIインフラ構築に向けた戦略的パートナーシップを加速。OpenAIとの5000億ドル規模のデータセンター構築プロジェクト「スターゲート」に参加するとともに、同社に3000億ドル相当のコンピューティングリソースを供給する大規模契約を締結。また、メタとも200億ドル規模のコンピューティング契約を締結したと報じられている。 Oracleは過去に、カッツ氏とチャールズ・フィリップス氏、その後のマーク・ハード氏との二大社長体制を経て、2014年に共にCEOに就任。ハード氏の死去後も、カッツ氏が単独CEOを務めてきたが、今回の共同CEO体制は、AI時代の複雑な戦略を分担して推進するための構造的変化と位置づけられる。この人事変更は、単なる後継者選定ではなく、AI時代のインフラリーダーとしての地位を確立するための、包括的な戦略的転換の象徴である。
