アマゾン、OpenAIに100億ドル超を投資する交渉中と報じられる
OpenAIとAmazonの間で、100億ドルを超える規模の投資およびAIチップ利用に関する交渉が進行中であることが、CNBCが確認した。この取引はまだ不確実な部分が多く、変更の余地があるが、仮に成立すればOpenAIの評価額は5000億ドル以上に達する見通し。Amazonは2015年から自社開発のAIチップ「Inferentia」と「Trainium」を進化させ、特に最新のTrainium 2を発表した。これにより、AWSはAIモデルの学習に必要な膨大な計算資源を提供する強力な競争力を持つようになった。一方、OpenAIは2023年10月に非営利組織から利益を追求する法人体制に移行し、Microsoft以外の企業との提携や資金調達の自由度を大幅に拡大した。これにより、同社はAMDやBroadcom、Nvidiaといった半導体メーカーとの契約を進めており、最近ではAWSと380億ドル規模のクラウドインフラ契約を締結した。 この動きは、AI産業における「循環型取引」の典型例である。たとえば、OpenAIは3500万ドルをCoreWeaveに投資し、その資金でNvidiaのチップを調達。そのチップはOpenAIのモデル学習に使われ、結果としてCoreWeaveの収益が増加し、OpenAIの投資価値が上昇するという好循環が生まれている。同様に、OpenAIはAMDに10%の株式を取得し、AMDのAI専用GPUを優先的に利用する契約を結んでいる。こうした戦略的提携は、OpenAIがMicrosoft以外のパートナーと連携し、技術的・経済的多様性を確保する動きの表れである。 Amazonは、OpenAIの主なライバルであるAnthropicに80億ドル以上を投資しており、AI分野への参入を積極的に進めている。さらに、Microsoftも同様にAnthropicに最大50億ドルを投資すると発表。NvidiaはAnthropicに最大100億ドルを出資する計画を明らかにしている。こうした動きは、AIの「チップ・クラウド・モデル」の三極構造が確立しつつあることを示しており、企業間の競争と協業が複雑に絡み合っている。 OpenAIは2023年10月に66億ドル規模の株式売却を実施し、従業員らが5000億ドルの評価で株式を売却。これにより、資金調達の基盤が強化された。今後、Amazonとの提携が実現すれば、OpenAIはMicrosoftに依存しない多様な技術基盤を獲得し、AI開発の速度と柔軟性を高める可能性がある。一方、AmazonはOpenAIとの提携で、自社のAIチップとクラウドサービスの需要を拡大できる。この取引は、AI時代のインフラ戦略の再編を象徴する重要な一歩と見なされている。
