OpenAI、エントープライズ市場で逆転を目指しリーダー人事を発表
OpenAIが2026年に企業市場での成長を加速するため、経営陣の再編を進めている。同社は、企業向けAI製品の販売を牽引する新たなリーダーとして、バレット・ゾフ氏を任命したと『The Information』が報じ、内部メモを根拠にしている。TechCrunchが同社に確認を依頼したが、公式コメントはまだない。 ゾフ氏は、元OpenAIの副社長(Post-Training Inference担当)として2022年9月から2024年10月まで在籍。その後、元共同創業者ミラ・ムラティが設立したAIスタートアップ「Thinking Machine Labs」で共同創業者兼CTOを務めていたが、2025年初頭に同社を退職し、再びOpenAIへ復帰した。退職の経緯は不明だが、複数の関係者から「自主退職か、事前に戻る予定だった」との情報が流れている。 この任命は、OpenAIが企業市場での競争力回復を急ぐ姿勢を示している。同社は2023年にChatGPT Enterpriseをリリースし、AnthropicやGoogleよりも早く企業向けサービスに進出。現在、ソフトバンク、ターゲット、ロエベなど500社以上の企業が利用しており、ユーザー数は500万人以上と公表している。しかし、市場シェアは減少傾向にある。 2025年末時点で、企業向け大規模言語モデル(LLM)の使用シェアは、Anthropicが40%(メンロ・ベンチャーズ調査)、Google Geminiが21%に対し、OpenAIは50%から27%まで低下。同社CEOのサム・オルトマン氏も、内部文書でGoogleの成長が自社に影響を及ぼしていると懸念を表明していた。 こうした状況を受け、2026年の企業成長が同社の重点戦略に位置づけられている。CFOのサラ・フライア氏は、1月に公開したブログで「企業市場の拡大が今後のカギ」と明言。さらに、ServiceNowとの多額の長期提携を発表。同社の顧客がOpenAIのモデルを直接利用できる体制が整う。 ゾフ氏の再登場は、技術的実力と企業営業の両面で、OpenAIの企業戦略の再編を象徴する動きだ。
