海軍、AIで潜水艦計画作業を160時間から10分に短縮 448億円を投じて拡大へ
米海軍は、人工知能(AI)技術を活用して、潜水艦建造計画のスケジューリング作業を160時間からわずか10分に短縮したと発表した。これを受けて、海軍は今後、この技術をさらに拡大するため、4億4800万ドル(約700億円)を投資すると明らかにした。 このAIシステムは「Shipbuilding Operating System(Ship OS)」と呼ばれ、パランティア社の「フォンダリー」と「人工知能プラットフォーム」を基盤として構築された。初期段階では、コンネチカット州のジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボート(GDEB)やメイン州のポートランド海軍造船所などでパイロット実験が行われ、大きな成果を上げた。GDEBでは、従来160時間かかっていた潜水艦の建設スケジュール作成が、AI導入後は10分以内に短縮された。また、材料レビューの時間も、これまでの数週間から1時間以内にまで短縮された。 今回の4億4800万ドルの投資は、潜水艦産業基盤への導入をはじめ、主要造船会社2社、公共造船所3カ所、および100以上のサプライヤーへと展開される予定だ。海軍は、この取り組みを通じて、長年にわたる古い技術や業務手法による遅延やコスト増を是正し、スケジュールの安定化、生産能力の向上、コスト削減を実現するとしている。 海軍長官ジョン・フェラン氏は、「この投資により、造船所やサプライヤーが業務を近代化し、国の防衛ニーズに応える力が強化される」と強調。AIと自律技術の規模化により、「よりスマートなビジネス運営」と「海軍と国家が求めている産業基盤の強化」が実現すると述べた。 Ship OSの導入は、潜水艦プログラムにとどまらず、今後は水面艦艇プログラムへの展開も視野に入れている。海軍は、海軍艦艇システム命令部と「マリタイム産業基盤プログラム」が共同でこのプロジェクトを推進しており、複数のデータ源から問題点を抽出し、設計プロセスの高速化やリスク軽減を図っている。 長年の問題として指摘されてきた、人材不足、老朽化した施設、建設スペースの不足といった造船所の課題に対し、AIによるプロセス革新が新たな突破口となる可能性を秘めている。
