AIスタートアップの急増が加速するグーグルクラウドの成長戦略
Google Cloudは、急成長中のAI開発スタートアップ「Lovable」と「Windsurf」を新規顧客に加えたと発表した。両社はGoogle Cloudを主要なクラウドインフラとして採用しており、これはGoogleがAWSやMicrosoft Azureに次ぐクラウド市場での存在感を強めている証左である。 同社のクラウド事業は、広告事業に比べて影が薄いが、成長率は顕著。2024年には432億ドルのクラウドサービス収益を記録し、2023年から約30%増加。クラウド責任者であるトーマス・クリアン氏は、今後2年間で580億ドルの新規収益を獲得すると予測している。 AIスタートアップとの提携が、その成長の原動力となっている。Google Cloudは、世界の上位10大AIラボのうち9社、および世界の生成AIスタートアップの6割以上と提携。過去1年間でAIスタートアップのGoogle Cloud採用数は20%増加した。 LovableとWindsurf(Cognitionによる買収済み)は、いずれも「バイブコーディング(vibe coding)」を特徴とするAI開発ツールを提供。両社はGoogleのGemini 2.5 Proを製品基盤に使い、Google Cloud上にサービスを構築している。WindsurfはCognitionのAIエージェント「Devin」との連携でもGeminiモデルを活用している。 AIモデルのトレーニングや実行には膨大なクラウドリソースが必要であり、このコストはAI開発者にとっての課題だが、Google Cloudにとっては成長のチャンスである。Synergy Researchの予測によると、2025年のグローバルクラウド市場は4000億ドルを超えるとされ、今後5年間で年率20%の成長が見込まれる。 同社は11月21日、初の「Google AI Builder’s Forum」を開催。AIスタートアップ創業者数百人を招き、LovableやWindsurfを含む40社以上がGoogle Cloud上にAI製品を開発中と発表。なかにはSequoia Capital傘下のFactory AI、Andreessen Horowitz支援のKrea AIも含まれる。 Googleは、Y Combinatorアクセラレーター参加企業向けにNVIDIA GPU専用リソースを提供し、Google for Startups Cloud Programでは最大35万ドルのクラウドクレジットを提供するなど、スタートアップ支援に積極的。 こうした戦略により、Google CloudはAI時代のインフラとしての地位を確立しつつある。
