マスクのxAIとSpaceXの合併が史上最大規模、1.25兆ドルの評価で実現
エロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースX(SpaceX)が、自身が設立した人工知能(AI)スタートアップ「xAI」を買収する大規模な合併が、2024年5月14日(現地時間)に発表された。この取引は、合併後の企業価値が1兆2500億ドル(約200兆円)に達し、歴史的に最大規模の企業合併として記録された。CNBCのデイビッド・ファバーが確認した情報によると、スペースXの評価額は1兆ドル、xAIは2500億ドルとされている。この合併は株式交換方式で実施され、1株のxAI株式が0.1433株のスペースX株式に相当する。資料によれば、xAIの株価は75.46ドル、スペースXは526.59ドル。また、バンクの評価資料では、スペースXの価値は8590億ドルから1兆2600億ドル、xAIは2190億ドルから2940億ドルの範囲に推定されている。 マスク氏は、この合併を「地球内外で最も野心的かつ垂直統合されたイノベーションエンジン」の創設として位置づけ、AI、ロケット開発、宇宙通信インフラ、そしてソーシャルメディアプラットフォーム「X」を統合する戦略を明言した。特に、合併の主な目的として「軌道上データセンター」の構築を挙げており、宇宙空間に設置されたAIサーバー群が、地球規模のデータ処理と通信を実現する構想である。この取り組みは、従来の地上型データセンターの限界を乗り越え、低遅延かつ高スケーラブルなAIサービスの提供を目指すものだ。 この合併は、スペースXの今後の株式公開(IPO)を控えたタイミングで発表された。金融時報(FT)によれば、スペースXは今年後半に最大500億ドルを調達するIPOを計画しており、評価額は1兆5000億ドルに達する可能性がある。今回の合併は、AIと宇宙技術の融合を強調することで、投資家への信頼を高め、IPOの成功を後押しする戦略とも解釈できる。 業界関係者からは、この合併が「技術の境界を再定義する試み」と評価されている。AIと宇宙開発の融合は、未来のインフラ基盤を形成する可能性を秘めており、特に衛星インターネット(Starlink)とAIの連携による自律型ネットワークの実現が期待されている。また、マスク氏が推進する「Xプラットフォーム」との統合も、データ収集とAI処理のサイクルを加速させる鍵となる。 この取引は、単なる企業再編にとどまらず、AI時代における宇宙産業の新たなあり方を示す象徴的な出来事である。地球と宇宙の境界を越えたインフラの構築を目指すマスクのビジョンが、実現の第一歩を踏み出した。
