MetaのAI広告ツールが異常発動、ブランドが困惑
メタのAI広告ツールが予期せぬ結果を生み出し、複数のブランドが混乱を招いている。アパレルブランド「True Classic」のマーケティング責任者、ブライアン・カノ氏は、自社の最高パフォーマンス広告が、AI生成の不自然な「明るいおばあさん」の画像に突然置き換えられたとX(旧Twitter)で報告。この広告は、30〜45歳の男性をターゲットにしているブランドにとって不適切で、顧客からも苦情が相次いだ。カノ氏は、AIが「まだ本格的に使える段階ではない」と指摘し、ブランド信頼や小売パートナーとの関係にも悪影響を及ぼす可能性を懸念した。 同様の問題は他にも発生している。ヨーロッパの靴ブランド「Kirruna」は、モデルの脚が不自然にねじれた広告をAIが生成。eバイクメーカー「Lectric」も、車が雲の中を飛行するような不審な広告をAIが作成。同社のデジタルマーケティング担当バイスプレジデントは、この広告が実行前に発見され、即座に中止したと明かした。 こうした問題の原因は、Meta広告管理画面内の「新クリエイティブ機能のテスト」や「自動調整」、「Advantage+クリエイティブ」などの設定が、意図せずオンになっていることにある。複数の広告担当者は、設定をオフにしても再び自動でオンになるケースを経験しており、予期しないAI広告が予算を消費していると訴えた。マーケティングエージェンシー「Flat Circle」のCEO、ロク・フランニク氏は、毎週2〜3回、1アカウントあたり1時間以上をかけてAI機能のオフ確認に費やしていると明かした。 こうした混乱を受けて、eコマース企業「Yuzu Knives」の創業者ジョナス・フォンク氏は、Metaの設定を明確に可視化するツール「AdsFlow」を立ち上げた。広告担当者らは、MetaのAIが「作業を効率化する」と期待したが、実際には管理の手間が増える結果となり、「以前より多くの作業が増えた」と嘆いている。 メタは、広告主が生成画像を事前に確認できるとしており、フィードバックに基づいて改善を続けると回答している。しかし、多くのマーケターは、AIの自動化が「ブラックボックス」のままではリスクが高すぎると指摘。AIの活用は進むが、人間の監視と制御が不可欠であることが改めて浮き彫りになった。
