ASML、AI需要で記録更新の受注と2026年売上予想引き上げ
半導体製造装置の大手、ASMLがAI需要の拡大を受け、記録的な受注と前向きな2026年予想を発表し、株価が7%上昇した。同社は2025年第四四半期の受注額が132億ユーロ(約158億ドル)に達し、市場予想の63.2億ユーロを大きく上回った。これは同社の財務責任者ロジャー・ダッセン氏が「歴史的最高の四半期」と評した記録的な数字だ。さらにASMLは、2028年12月31日までに120億ユーロ規模の株主還元を実施する買戻し計画を発表。2026年の売上高予想は340億~390億ユーロとし、中間値はアナリスト予想の351億ユーロを上回る。2025年比で4%~19%の成長が見込まれ、前回の不確実な見通しと比べて明確な改善を示している。 同社は、AIインフラ需要の高まりに伴い、今年だけで株価が約30%上昇。特にAI用チップの製造に不可欠な極紫外露光装置(EUV)の需要が堅調に推移している。台湾積体回路製造(TSMC)も四半期利益で新記録を更新し、NVIDIAやAMDを含む主要企業のAIチップ生産が拡大していることを裏付けている。また、メモリ半導体の不足が深刻化し、価格が急騰。2027年まで需要の逼迫が続くとの見方が広がっており、サムスンやSKハイニックスをはじめとする主要メモリメーカーが生産能力を拡大する見通し。これに伴い、ASML製装置の需要はさらに高まる見込みだ。 一方、同社は効率化を目的に、オランダを中心に約1,700人の人員削減を発表。業務の柔軟性不足が課題とされ、組織の敏捷性を高めるための措置としている。AI需要の持続的拡大と、半導体産業の構造的変化の中で、ASMLは世界最先端技術の供給基盤としての役割を強化している。
