AIエージェント時代の企業SaaS、BoxCEOが語る「ハイブリッド未来」と市場の転換点
Boxの共同創業者兼CEOであるアーロン・レヴィ氏は、AIエージェントがエンタープライズSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)企業を置き換えるとは考えない。むしろ、将来的にはSaaSとエージェントが融合したハイブリッドモデルが主流になると予測している。彼は4月のTechCrunch Disrupt 2025カンファレンスで、「ビジネスプロセスは決定論的なシステムで定義されるべきだ。なぜなら、毎日変化するリスクが極めて高いからだ」と説明した。 レヴィ氏は、ミッションクリティカルな業務では、AIエージェントによるデータ漏洩や、意図しないデータベースの破壊、生産環境での不測の操作が既に発生していると指摘。こうしたリスクを避けるため、SaaSの「決定論的側」と、AIエージェントの「非決定論的側」の間に「教会と国家」のような分離構造を設ける必要があると強調した。 その未来像として、SaaSはコア業務プロセスの基盤となり、エージェントはその上に乗り、意思決定の支援、業務の自動化、プロセスの高速化を担うと説明。AIエージェントの数は人間の100倍、あるいは1000倍に達する可能性があるとし、結果としてSaaSの利用者数は急増すると予想。これにより、従来の「1ユーザーあたりのライセンス」モデルは成り立たず、利用量や処理量に応じた課金モデルへの移行が不可避になると述べた。 この変化は、既存の大手企業よりも、エージェント最優先のプロセスを設計できるスタートアップに大きな機会をもたらす。レヴィ氏は、既存の業務プロセスに縛られないスタートアップが、新規のエージェントファーストのアーキテクチャを構築できると指摘。また、変更管理の負担を軽減するツールやサービスの開発に注力すべきだと提言した。 「15年ぶりに、テクノロジーの完全なプラットフォーム転換のチャンスが訪れている。この窓を最大限に活用すべきだ」と、起業家に呼びかけた。
