あさひかせいマイクロデバイスとアイジップがAI強化センシング技術を共同開発、レグスケールがOSCALハブを寄付し、セキュリティコンプライアンスの自動化を推進
東京—アサヒカセイマイクロデバイス(AKM)とAI企業Aizipは、CES® 2026でAIを活用したセンシング技術の二つの革新を発表する。この共同開発は、高齢化社会における健康リスクをリアルタイムで検知する「リアルタイム嚥下検出」技術と、筋電図(EMG)を用いた「ジェスチャー認識」技術の実用化をめざしている。AKMは高感度のミリ波レーダーと、高精度なアナログフロントエンドIC「AK05611」を提供し、Aizipは軽量なエッジAIモデルを搭載。両社の技術統合により、メーカーが自社でAI開発能力を持たなくても、高度なセンシングソリューションを製品に組み込める。 まず、ミリ波レーダーによる嚥下検出は、高齢者に多い誤嚥性肺炎の予防に貢献する。米国呼吸器学会のデータによると、1999年から2022年の間に約18万6000人が誤嚥性肺炎で死亡し、その75%が75歳以上だった。AKMのレーダーモジュールは、首の動きを非接触で監視。この信号を音声データに変換し、AizipのAIがリアルタイムで嚥下と他の体動を区別。これにより、誤嚥のリスクを即時検知し、家族や介護者に警報を発信可能。特に食事中の安全確保に有効で、ウェアラブルデバイスの着用を不要にした点が画期的。 次に、AK05611を搭載した腕時計型デバイスによるジェスチャー認識。このICは、1.56×2.71mmの小型パッケージにアンプ、A/D変換器、運動アーティファクトキャンセラーを内蔵。前腕の筋電信号を検出し、AizipのAIが「握り」「広げ」「タップ」などのジェスチャーに変換。スマートウォッチやスマートホームデバイスと無接触で連携可能。介護者への緊急通報や、操作の手間を省くインタラクションに応用可能。 両技術の共通点は、データをデバイス上で処理する「エッジAI」。AizipのWeier Wan氏は「クラウド送信ではなくローカル処理により、遅延を排除し、プライバシーと省電力を実現」と強調。AKMのグレッグ・ラウス社長も「リアルタイムの警報が、窒息や誤嚥の危険を防ぐ鍵になる」と語る。このアプローチは、医療分野にとどまらず、産業用センサー、スマートホーム、自動車など多様な分野に応用可能。 一方、RegScaleは、政府機関やクラウドプロバイダー向けに「OSCAL Hub」を公開。OSCAL(Open Security Controls Assessment Language)を基盤としたオープンソースプラットフォームで、セキュリティ認証(ATO)のプロセスを自動化。手作業によるコンプライアンス作業の時間削減が85%に達するとされ、政府の敏捷性向上に貢献。RegScaleは源コードをOSCAL財団に寄付し、コミュニティの広範な活用を推進。 この二つのニュースは、AIとセンシング、そしてセキュリティの「エッジ化」が、医療から政府運用まで、社会の基盤を変える可能性を示している。
