ブラジルが世界をリードするパスワードレス認証の潮流、RSA調査が明かすIDセキュリティの深刻なリスクとAIの二面性
2026年版RSA ID IQレポートが、世界のアイデンティティセキュリティ状況を明らかにした。同レポートは、2,100人以上のサイバーセキュリティ・アイデンティティ管理(IAM)・IT関係者を対象に実施された調査結果を基に、アイデンティティ関連の侵害が過去最多の頻度とコストを記録したことを示している。RSAのグレッグ・ネルソンCEOは、「アイデンティティの失敗は多くの組織に頻発しており、無視できないリスクだ」と強調。攻撃の発生確率とその損害コストの両方が急増しており、状況の深刻さを浮き彫りにしている。 調査によると、過去3年間にアイデンティティ関連の侵害を経験した組織は69%に上り、前年比27ポイントの増加。特に、ITヘルプデスクを狙った社会的エンジニアリング攻撃が深刻な脅威とされ、MGMリゾーツやカエサーズエンターテインメントなどの大手企業での被害を受けて、65%の組織が同様の攻撃を深刻に懸念している。また、アイデンティティ侵害の平均コストがIBMの基準を上回る組織が45%に達し、1,000万ドルを超える被害を被った組織も24%にのぼるなど、経済的損失は顕著に拡大している。 一方、ブラジルは世界的に見ても特異な位置を占めている。同国では、半数の回答者が「半分以上」の認証をパスワードレスで行っている。これは世界平均を9ポイント上回る水準で、パスワードレス認証の導入率が最も高い国として浮上している。 AIへの期待も高まる一方、ブラジルの回答者は「AIがサイバー犯罪に与える影響が、セキュリティより大きい」と回答する割合が世界最高。一方で、サイバーセキュリティ業界全体の83%は、AIが3年以内にサイバー犯罪よりセキュリティに貢献すると予想。91%の組織が今年中にAIを導入する計画を持っている。 RSAのブラジル現地責任者ダヴィッド・オディフレッド氏は、「アイデンティティは組織のセキュリティの根幹。ブラジルのリーダーたちは、世界の動向を把握し、自らのセキュリティ体制を見直すべきだ」と呼びかけている。
