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メタ、Rivosを買収で自社CPU/GPU開発を加速

メタプラットフォームズは、RISC-Vアーキテクチャのプロセッサ設計スタートアップ「Rivos」を買収した。この動きは、同社が自社のAIやアプリケーション向けに最適化された独自のCPUとXPU(AIアクセラレータ)を開発し、インフラコストを削減する戦略の一環である。メタはFacebook、Instagram、WhatsAppなど35億人のユーザーを抱える世界最大級のSNS企業であり、クラウドサービスとは異なり、ユーザー体験の最適化を最優先に据えるため、自社のハードウェア設計を進める必要があると判断した。 Rivosは2021年に設立され、元AppleのCPU設計責任者であるTse-Yu Yehらが中心となっており、RISC-Vベースの高性能CPUとGPGPU(データ並列アクセラレータ)の開発を進めていた。同社は2024年4月にSeries Aで2億5000万ドルを調達し、その後さらに1億2000万ドルを追加調達。2024年8月には5億ドル規模のSeries Bを検討しており、評価額は20億ドル以上に達していた。買収価格は8億5000万ドル以上と見られ、投資額3億7000万ドルを考慮すると、メタの戦略的投資の規模が明らかだ。 Rivosは、メタのMTIA(Meta Training and Inference Accelerator)チップの設計に協力しており、MTIA v1とv2の開発でRISC-Vコアを採用。特に2025年6月に発表されたMTIA 2iは、AI推論ワークロードでNVIDIA GPU比でTCO(総所有コスト)を44%削減できると主張。これは、メタの広告サーバーに使われる巨大な埋め込みモデル(embeddings)がGPUのメモリ容量を超えるため、NVIDIAのGrace-HopperやBlackwellのような「スーパチップ」に依存する状況を打破する狙いがある。 Rivosは、CPUとGPUを統合した「統一メモリアーキテクチャ」を構築しており、DDRとHBMの両方を共通メモリとして扱う設計を採用。また、CUDA互換ソフトウェアスタックの開発も進めており、NVIDIAのソフトウェア優位性に対抗する可能性がある。ただし、CUDAバイナリのエミュレーションは法的リスクを伴うため、メタが自社内でのみ利用する形で運用するかが鍵となる。 この買収により、メタは「Annapurna Labs(AWS買収)」のような戦略的基盤を獲得。RISC-Vアーキテクチャを基盤に、自社のAIインフラを完全にコントロールできる体制を整えた。今後、自社開発の「Grace-Hopper型RISC-Vチップ」の登場が期待され、コスト削減と性能向上を実現する可能性が高まっている。

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